今回で88回目を迎える大会は、日本で最も歴史があり、茨木CCの会場全体には日本ゴルフ界のトップオブトップを決めるに相応しい厳かな雰囲気が漂っている。格式の高い本戦が始まる前日に「チャンピオンズ・ディナー」というイベントがクラブハウス内で行われる。聞いたことのある人がいるかもしれないが、実際にどのようなことが行われているかあまり知られていない。今回、そのチャンピオンズ・ディナーへ潜入調査を行った。
画像: 会場の茨木CCクラブハウス内で、ひっそりと開催されたチャンピオンズ・ディナー

会場の茨木CCクラブハウス内で、ひっそりと開催されたチャンピオンズ・ディナー

Q:まずはそもそも『チャンピオンズ・ディナー』とは何か?
簡単にいうと、「日本オープンの歴代優勝者が集う夕食会」と言ったところだろうか。

Q:始まりはいつ?
「マスターズゴルフトーナメント」で行われているものを参考に、2010年の愛知CCで行われた日本オープンから始まり、コロナ禍で開催できない大会もあったが今回で14年目となる。

Q:誰が何のために主催しているの?
日本ゴルフ協会(以下JGA)が主催し、大会開催コースとJGAが歴代チャンピオンに対して栄誉を末永く称え、おもてなしをするために開催。

Q:誰が参加できるの?
日本オープンの歴代優勝者全員が出席することができる。毎年JGAから、連絡の取れる歴代優勝者には全員にアナウンスしているそう。ちなみに27年前に今回の開催コース(茨木CC)で優勝したピーター・テラベイネンにもコンタクトを取ったそうだが、日本にいないためということで丁重にお断りの連絡があったそうだ。

Q:どんな食事が出るの?
基本的にはコース料理が提供され、開催コースとJGAが相談して食事の内容を決めている。ちなみに、マスターズでは前年の優勝者がおもてなしをするとの意味からメニューを決めているが、日本オープンで行われるチャンピオンズ・ディナーは、JGA主催であり、さまざまな手配などで選手へ負担をかけないためにもメニュー内容は開催コースとJGAによって決めることになっている。ナマモノなどはあまり提供しないように気を使っている。

画像: チャンピオンズ・ディナーには歴代優勝者、JGA、NHK、開催コースなど関係者が出席して行われる

チャンピオンズ・ディナーには歴代優勝者、JGA、NHK、開催コースなど関係者が出席して行われる

Q:どんな会話をしているのか?
2013年の覇者・小林正則に聞いたところ、出席者のメンバー次第でかなり盛り上がることがあるという。「お酒が入ることもあるけど、中嶋さんと青木さんのやり取りが面白くてね(笑)。昔話で盛り上がったり、日本オープンの優勝することの価値など熱く語るからとても楽しみにしていますよ」(小林)

画像: 集合写真を撮る前、待合室にいた小林正則へ、チャンピオンズ・ディナーについて話してもらった

集合写真を撮る前、待合室にいた小林正則へ、チャンピオンズ・ディナーについて話してもらった

Q:ディナータイムはどれほど?
おおよそ2時間だが、盛り上がった場合は延長することもあるという。最後に、日本オープン優勝者には、翌年から10年間の日本オープン出場資格があり、2013年に勝った小林正則は今年でその資格は切れてしまう。もちろん、シード権があれば大会へ出場できるが、「優勝したのが茨城GCだったから『茨城(イバラギ)」で始まり、『茨木(イバラキ)』で終わるかな~」と笑いながら話す小林が、これまでのチャンピオンズ・ディナーについて話してくれた。

「いちばん思い出に残ってるのは、優勝した翌年に参加したチャンピオンズ・ディナーですね。初めて参加するから右も左もわからないじゃないですか。そうしたら片山(晋呉)先輩から『前年優勝者なんだから、何か持ってこないと」と言われて、結構高いワインを3本持参していったんです。そうしたら、全然そんな必要なくてまんまと先輩にダマされたよ~(笑)」

「ちなみに翌年の幹事って、実は優勝者がやるわけでなくてディナーで決めるんだよ。でも、特別に何かを準備するといったことはないんですけどね。食事は毎年、本当に美味しいんですっが、福岡県の古賀ゴルフ・クラブ(2019年)の時は、今でも記憶によみがえるほど料理が美味しくて、それが印象に残っています。でも、毎年、本当に皆さんに感謝してます」

画像: 今年の参加者は、稲森佑貴、S・ノリス、蟬川泰果、田中秀道、谷口徹、羽川豊、小林正則の7名(左上から時計回り)

今年の参加者は、稲森佑貴、S・ノリス、蟬川泰果、田中秀道、谷口徹、羽川豊、小林正則の7名(左上から時計回り)

今回、チャンピオンズ・ディナーに出席した歴代優勝者の参加者は、稲森佑貴(2018年・2020年)、S・ノリス(2021年)、蟬川泰果(2022年)、田中秀道(1998年)、谷口徹(2004年・2007年)、羽川豊(1981年)、小林正則(2013年)の7名でした。(PHOTO/Tadashi Anezaki)

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