CO2削減を目指し、自動車業界では2035年までにガソリン車を撤廃するという話も出ているなか、ゴルフ場のメンテナンスに欠かせない芝刈り機の電動化が、世界では進んでいるようだ。

スコットランドのセントアンドリュースをはじめ、イギリスのゴルフ場が、続々と電動芝刈り機を採用し始めている。今年の全英オープンの会場となったロイヤルリバプールGCも同様だ。米国TORO社製のリチウムイオン電池で動く電動芝刈り機を採用している。

同クラブのマネジャーのジェームズ・ブレッジ氏は、「電動芝刈り機の品質と精度を一度見ると、ほかの機械を探す気がしなくなる」と絶賛。二酸化炭素を排出しないので、温暖化対策やSDGsに合致している。

画像: 英国のゴルフ場で導入が進んでいるTORO社の電動芝刈り機(Ph/同社のインスタグラムより)

英国のゴルフ場で導入が進んでいるTORO社の電動芝刈り機(Ph/同社のインスタグラムより)

日本のゴルフ場での導入状況を聞いてみた。TORO社の代理店を請け負う担当者によれば、「ゴルフ場用の電動芝刈機は、まだ日本に現物が入っていないのです。なので、現状は何ともいえませんが、リール部分(回転刃)をモーター駆動にしているハイブリッドの‟グリーンマスター”でも、燃費が3割近く良くなります」と説明。ハイブリッドで3割減ならば、完全な電動モデルであれば、さらなるCO2削減効果と、高騰する石油を使用しないランニングコストの削減にもつながる。

広大な緑の敷地を持つゴルフ場。日本緑化センターによれば、ゴルフ場1コースにつきアカマツが1万3000本植栽されている相当の効果があるそうで、年間のCO2吸収量は、これだけでも210トン以上になる。CO2吸収量の面から見ても、ゴルフ場には有能な里山機能を持っている。そこに、管理に使われる機器の脱炭素化が進めば、SDGsのモデル事業にもなり得そうだ。日本での導入が待たれるところ。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月24日号より

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