多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新のギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はタイトリストの「T150」アイアン。クラブ選びの参考にどうぞ!
画像: 【試打クラブスペック(7I)】●ロフト角/32度 ●ライ角/63度 ●価格(税込)/16万5000円(#5~PW・6本セット) ※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック(7I)】●ロフト角/32度 ●ライ角/63度 ●価格(税込)/16万5000円(#5~PW・6本セット) ※すべてメーカー公表値

『T150』は『T100・S』の後継機種アイアンだ

タイトリストの最新『Tシリーズ』から『T150』を紹介する。アイアンは7番のヘッドとクラブ(シャフトは『NSプロ モーダス3 ツアー120・S』仕様)を計測し、数値はすべて実測値になる。

クラブ長さが37.0インチと標準的だが、クラブ重量は427.3gとやや重く、スウィングウェイトもD2.7とやや大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが274 万g・㎠と大きくなっている。この数値であれば本来はドライバーのヘッドスピードが47m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計だろう。

同一シリーズの『T100』と同じツアーモデル。小ぶりでオーソドックスな形状で、FP値(フェースプログレッショ ン)が5.5ミリの超ストレートネック。『T100』と同様に上から見て丸みのあるリーディングエッジと『T100』よりもやや広いストレートなトップラインにより、米国モデルらしくフェース全体に逃げ感がある。

『T200』よりも寛容性が高い

実際に試打したところ、タイトリストのツアーモデルらしいフェースの長さが短い小ぶりなヘッドで、『T100』よりもフェース長が1ミリ長く、ソール幅も1ミリ広い。前述のように超ストレートネックと逃げ感のあるフェースはラインに対してスクエアに構えやすく、ラインが出しやすい。

試打クラブのシャフト『モーダス3 ツアー120』は先側のシナリ感もあって弾道が高くなる。リアルロフト角が32.1 度と、34.2度だった『T100』よりも約2度もストロングになっているので、飛距離は出るが、スピンはやや少ないだろう。『T100』同様に軟鉄よりも硬い素材で、フェース面の中央が肉厚になっていて、打音は抑えられ、打感もいい。

画像: バウンス角は5.6度とやや大きめ。スイートスポット高さは19.8ミリと低く、球が上がりやすい設計だ

バウンス角は5.6度とやや大きめ。スイートスポット高さは19.8ミリと低く、球が上がりやすい設計だ

ヘッドは小ぶりで重心距離は36.6ミリと短く、結果ネック軸回りの慣性モーメントも5366g・㎠とやや小さめなのでヘッドの操作性が良く、インテンショナルにドローやフェードと弾道を操作しやすい。また、米国モデルらしく62.2度とアップライトなライ角で球はつかまえやすくなっている。小ぶりなヘッドなので、夏場のラフからの抜けもいい感じだ。

最新『Tシリーズ』のすべてを実測したが、左右方向のヘッド慣性モーメントは2745g・㎠と2618g・㎠の『T200』よりも大きく、結果ミスヒットに対して『T200』よりも寛容性が高い。アベレージから上級者を目指すゴルファーにとって選択肢のひとつとなりそう。ちなみに、『T200』はバウンス角が0.0度だったので払い打ちするゴルファーに、『T150』は5.6度あるので、ダウンブローに打てるゴルファーに合うだろう。

これが「T150」アイアンの計測データだ

フェースプログレッションが5.5ミリの超ストレートネック。米国モデルらしくライ角が62.2度とアップライトで球がつかまりやすいが、超ストレートネックと構えたときの逃げ顔で、つかまり過ぎず、ターゲットに対してスクエアに構えやすくなっている。

また『T200』のバウンス角は0.0度と小さかったが、『T150』は5.6度とやや大きく、『T200』を試打して刺さってしまうようなゴルファーは『T150』を選ぶといいだろう。

同じツアーモデルの『T100』よりも1ミリフェース長が長く、かつ1ミリソール幅が広いがスイートスポット高さは同じで低重心で球が上がりやい設計といえる。

画像: 重心距離が36.6ミリと短く、重心深度は2.4ミリと浅い重心設計になっている

重心距離が36.6ミリと短く、重心深度は2.4ミリと浅い重心設計になっている

※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月24日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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