最終18番で優勝を決定づけるスーパーショットを放った松山英樹・2021年(第3回大会)
初日を岩田寛に次ぐ2位タイと絶好のスタートを切った松山英樹。
2日目にトップに立つと、安定したゴルフで3日目も首位をキープ。最終日も16番までに2位と2打差をつけてトップを維持するも、17番でボギーを叩き、松山英樹の優勝を信じて集まった5000人のギャラリーを少し不安にさせる。しかし、最終18番でアジア人初のマスターズ王者の実力をまざまざと見せつけた。
3番ウッドで放ったティーショットは予定通りフェアウェイをキープし、残り244ヤード。ピンは手前エッジから2ヤードほどにあり、カップから先は上り傾斜で、右手前にはバンカーがあるため、2位との差を考えるとどちらも絶対に避けたい状況。考え抜いた末に松山英樹は本来の飛距離ではオーバーする5番ウッドを手にする。
アドレスではいつもどおりの独特な間を作り出すルーティンから、いつもより少しカット軌道にしつつ、フェースをオープンにしてロフトを増やし、バンカーショットのように打つことで、縦の距離を合わせた。また、手元を浮かすことでタテ振りの状況を作り、曲げない要素を加味した。打った直後に「GO!」と叫び、見事ピンそばに着弾し、優勝を決定づけた。
優勝会見で松山は、「状態がよくないなかで勝機があるとしたら、多くの方が僕を応援してくれているということ。応援を上手く自分の力に変えることができました」と地の利を強調した。
今年は松山英樹をはじめ、石川遼、岩崎亜久竜、久常涼、金谷拓実、中島啓太、蝉川泰果、永野竜太郎、平田憲聖、稲森佑貴、今平周吾、大西魁斗、堀川未来夢夢、小平智と14人の日本人選手が出場。日本勢の活躍を期待したいところだ。
タイガー・ウッズがツアー最多となる82勝目を飾った・2019年(第1回大会)
タイガー・ウッズは、同年8月に受けた左ひざ手術後の初大会、初日3連続ボギースタート、記録的な豪雨、その影響による1日27ホールのラウンドなど、多くの逆境を跳ねのけ、サム・スニードに並ぶツアー最多タイの82勝目を挙げた。2位に松山英樹、3位にローリー・マキロイが入り、日本のファンが待ち望んだ結果となった。
「82勝目を日本で達成するというのは不思議なこと。でも自分はいつも世界中でプレーしていたので、アメリカ国外でこの記録に並べたことをとても嬉しく思います」と会見で語った。
キーガン・ブラッドリーが1489日ぶりの優勝・2022年(第4回大会)
昨年の第4回大会、最終日最終組はいずれもツアー優勝から4年近く遠ざかっていたリッキー・ファウラー、アンドリュー・パットナム、そしてキーガン・ブラッドリー。16番を終えてブラッドリーとパットナムが14アンダーで並び、1打差でファウラーが追う展開。
迎えた17番で5mのバーディパットを沈めたブラッドリーがそのまま優勝。ブラッドリーは17番のバーディを「人生最高のバーディ」といい、「目の前でタイガーの82勝目を見届けた19年大会は鮮明に記憶に残っています。その場所で優勝できたことが本当にうれしい」と涙ながらに話した。
また、リッキー・ファウラーの復活劇が始まったのもこの大会から。21年「ザ・CJカップ」以来の最終日最終組スタートのファウラー。惜しくも1打差の2位タイだったが、復調の兆しが見えた。
PHOTO/Tadashi Anezaki Hiroyuki Okazawa
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月31日号「今週、いよいよZOZOチャンピオンシップ!」より