OWGRの条件に適合すれば、この決定が覆される可能性も
OWGR(Official World Golf Ranking)のピーター・ドーソン会長はAP通信の取材に対し、
「我々は彼らと戦争状態にはない」
としたうえで、
「LIVは(OWGRシステムのもとで争われる)他の24のツアーと、同様に公平にランク付けできる形式でプレーしていない」
と語った。
“形式”とは、48名が予選落ちなしの54ホールをショットガン方式でプレーするLIV独自のフォーマットを指し、なかでも
「OWGR資格のあるトーナメントに出場するために毎日努力している何千人ものプレーヤーにとって、ツアーをほぼクローズドな方法で運営することが公平であるとは考えていない」
と指摘。
一方でLIVのフォーマットが変更され、OWGRの条件に適合すれば、今後はこの決定が覆される可能性もあるとしている。
LIVでプレーする選手は現状PGAツアーには出場できず、メジャー大会や他のツアーで得たポイントのみが世界ランクに反映されるため、この決定は大きな痛手。
実際、昨年10月末の時点でトップ50には12名、トップ100には24名の選手がいたが、直近でトップ50入りしているのはキャメロン・スミス(15位)とブルックス・ケプカ(18位)のみ。
トップ100にも6人しか残っていない。これに対しLIVは、
「世界最高のプレーヤーのパフォーマンスを正確に認識する客観的な基盤を奪った」
とすぐさま反応。
「プロゴルフ界には現在、真のランキングシステムはない。最高の選手のパフォーマンスが認められない限り、ファンや選手にとって何の利益もない」
との声明を出した。また、選手からも
「もはやOWGRは時代遅れ」(キャメロン・スミス)
「ランキングが偏っている」(ダスティン・ジョンソン)
など非難の声が数多く挙がっている。
PGAとLIVの経営統合で、事態は沈静化すると思いきや、まだ混乱は収まりそうにない。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月31日号「バック9」より