スクエアに構えやすい
ヤマハの新しい『RMX VD/Mアイアン』を紹介する。7番のヘッドとクラブ(シャフトは『NSプロ950GH neo・S』仕様)を計測し、数値はすべて実測値になる。
クラブ長さが37.0 インチと標準的だが、クラブ重量は416.8gとやや重いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが271万g・㎠とやや大きい。この数値だと本来はドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっている。
ヘッドは同時発売の『RMX VD/R(以下Rモデル)』と同様にプロモデルらしいオーソドックスな形状。『Rモデル』よりは少しフェースが長いが、やや小ぶりなサイズといえる。そして、フェースプログレッション(FP値)が4.5ミリのストレートネックで、ラインに対してスクエアに構えやすい
実際に試打したところ、まずアドレスでは『Rモデル』と同様に、他のモデルに比べてフェースのヒール側の高さがトウ側に比べて高めなので、フェース全体に四角いスクエア感が出ている。そのためライ角は61.1度と標準的だが、見た目はフラットに感じる。そして、ストレートなリーディングエッジと丸いトップラインで、つかまり感のある「日本モデルのアイアン」というイメージが出ている。
打音の良さは、さすが"ヤマハ"
試打クラブのシャフトは適度なしっかり感があって、ダウンブロースウィングにも耐えてくれる。フェース面は素材が軟鉄よりも硬いので打感は硬く、インパクト音もやや高いが、キャビティ部分の銘板によりインパクト音の響きはかなり抑えられている。
『RMX VD/R』もプロモデルヘッドで小ぶりなので夏ラフからの抜けも良く、また重心距離が35.4ミリと短めで、結果ネック軸回りの慣性モーメントも4876g・㎠と小さいので、ダウンスウィングでのヘッドの操作性が良く、インテンショナルに弾道を操作しやすくなっている。
また、『Rモデル』とは違い、ソール面のバウンス角は6.6度とやや大きく、7番でターフを取るようなダウンブロースウィングに適している。そして、『Rモデル』ほどではないが、フェース面のスイートスポット位置はフェース中央よりも少しヒール寄りなので、ダウンスウィングで球をヒール側に引き付けて打てるフェード系プレーヤーに向いているだろう。
『Rモデル』同様にヘッドの慣性モーメントは2277g・㎠と非常に小さく、ミスヒットに強い寛容性のあるヘッドではない。とはいえ、『Rモデル』よりはロフトが2度ストロング、かつバックスピンもやや少ないので、飛距離が出やすいクラブといえるだろう。
これが「RMX VD/M」の計測データだ!
フェースプログレッションが4.5ミリでストレートネック。ラインに対してスクエアに構えやすく、以前紹介した『Rモデル』と同様に、ヒール側が高めなので、ライ角が測定した以上にフラットに見える。
また、バウンス角は6.6度とやや大きい。0.9度の『Rモデル』とは違い、バウンス角がしっかりあるので、ダウンブローに打てるゴルファーなら『Rモデル』よりも抜けが良く、使いやすい。
重心距離が35.4ミリと短い。少しヒール寄りの重心設計で、どちらかといえば球を引き付けて打てるフェード系プレーヤーに向いている。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月31日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より