ツアーモデルには珍しい、ややグースネック形状
キャロウェイの最新アイアン『APEX PRO』を紹介する。7番のヘッドとクラブ(シャフトは『ダイナミックゴールドMID 115・S200』仕様)を計測し、数値はすべて実測値だ。
クラブ長さが36.75インチとやや短いが、クラブ重量は435.1gと重く、スウィングウェイトもD2.7とやや大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが273万g・㎠ と大きい。この数値であれば、本来はドライバーのヘッドスピードが47m/s くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計だろう。
キャロウェイらしくヘッド全体が丸みを帯びた形状で、かつフェースが短めの小ぶりなツアーモデルヘッド。ツアーモデルは基本的にストレートネックが多いが、このモデルのフェースプログレッション(FP値)は3.7ミリと少しグースネックに見えるのも特徴的。
61.8度というややアップライトなライ角だが、アドレスでは他モデルに比べてフェースのトウ側が高めで、かつヒール側が低めなので、実測値よりもアップライトな感じがする。とはいえ、フェースのトップラインには球をつかまえ過ぎない逃げ感もあってバランスがいい。
程よいスピン量で弾道と飛距離が安定
試打シャフトは標準の『ダイナミックゴールド』よりもやや軟らかめのフィーリングで、少し振りやすい。ヘッドは中空構造だが、6番以下は軟鉄のフェース面なので、インパクト音は低く、打感もいい。硬い弾き感のあるフェースではないので、適度なスピンも入り、弾道や飛距離が安定するクラブといえる。
プロモデルヘッドは小ぶりなので夏のラフからの抜けも良く、重心距離も37.5ミリと適度。結果、ネック軸回りの慣性モーメントも5463g・㎠とやや小さめになっているので、ダウンスウィングでのヘッドの操作性が良く、インテンショナルに弾道を操れるだろう。
ロフト角が33.0度と大きく、いわゆる一般アベレージゴルファー向けストロングロフトではないので球は上がりやすく、かつ軟鉄フェースでバックスピンも適度に入るので、弾道と飛距離が安定する。ロフト角が立ったストロングロフトで硬いフェース仕様のアイアンとは異なり飛び過ぎがなく、ヘッドスピードの速いゴルファーにとっては、このモデルのほうがスコアメイクに役立ちそうだ。
キャロウェイらしくソール面のバウンス角は9.5度と大きいので、強めのダウンブローでターフを取るスウィングに適している。このモデルを手にしたいゴルファーであれば、同時に発売された『APEX MB』『APEX CB』も試打して、操作感や弾道が自分に合うものを選ぶことをオススメする。
これが「APEX PRO」アイアンの計測データだ
FP値は3.7ミリと標準的だが、構えてみるとややグースネックに感じる形状。61.8度というややアップライトなライ角だが、フェース形状によってさらにアップライトに見える。
バウンス角は9.5度と非常に大きい。キャロウェイモデルらしく、バウンス角が大きいので、ダウンブローでターフを多く取るスウィングのゴルファーに向いている。
フェース面上の重心位置であるスイートスポットが23.2ミリと非常に高いので、ティーアップをしたり、厚めのショットを打つときと相性が良いだろう。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年11月7日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より