ゴルフコースに初の常設のギャンブル施設がオープンした。先の10月19日、WMフェニックスオープンの会場となるTPCスコッツデールに、PGAツアー公認のドラフトキングス社がスポーツベッティング(ギャンブル)の施設を完成させたのだ。
"賭博場"はコース入り口付近で、ホールからは離れているが…
「この常設施設は、単に賭けをするだけではない。そこにはすべてがある」
とアリゾナセントラル紙に語るのは、同社のマネジャー。ギャンブルのための設備だけでなく、屋内外には390の観覧席が用意され、レストランにバーやVIPルームなど、ラウンジのような雰囲気で客をもてなすという。
ギャンブルはドラフトキングス社が、飲食はTPCスコッツデールが運営し、年間を通して週末は午前9時から、平日は11時から深夜まで営業される。
当初ゴルフコースにギャンブラーが常駐するのではないかという懸念もあったが、この施設はコースの敷地内とはいえ、入り口付近に造られていることから、その心配もある程度は解消。
この地域には、すでにNBAやメジャーリーグ、アメフトなど3つのスタジアムにも同様の施設があり、同じ地域に4つ目となる常設のスポーツ賭博場ができたことになる。
ドラフトキングスは8月だけで1億ドル以上の売上があったと伝えているが、常設の賭博場ができたことで、さらに大きく売上を伸ばしそう。
日本ではスポーツ賭博は禁止されているが、経済産業省では導入の検討を始めているという。サッカーのTOTOのようなスポーツ振興の財源として合法化が論議されているのだ。
日米プロゴルフの賞金格差を補う財源として魅力はあるが、ゴルフにギャンブルは似合わない?
ジョン・ラームは、金を賭けたファンの野次は
「皆が思っているよりはるかに多い。どのラウンドでも聞こえてくる」
と語っていた。
あるいは来年のフェニックスオープン、金を賭けた観客が増え、ビールカップの嵐だけでは収まらない事態もありえる?
※週刊ゴルフダイジェスト2023年11月14日号「バック9」より