女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第27話、私だって成長してるんです。

小祝さくらは、自分ではかなりの運動音痴だと思っている。「体育は嫌いでした。美術と技術が好きだったんです。彫刻とか、いろいろ作ることが好きで。でもゴルフって運動神経、いらないと思います」

画像: アマチュア時代の小祝さくら。プレーは成長したけれど、メンタルの強さも可愛さも天然ぶりもまったく変わりません!

アマチュア時代の小祝さくら。プレーは成長したけれど、メンタルの強さも可愛さも天然ぶりもまったく変わりません!

小祝は、ジュニア時代から活躍する有力選手だった。8歳でゴルフを始め、すぐに実力をつけた。中学、高校時代は北海道内の大会では無敵の活躍ぶり。

2016年のニッポンハムレディスクラシックでは、最終日を首位タイで迎えるなど、ツアーで優勝争いに加わってもきた。そして、高校卒業後の2017年にプロテストにも一発合格したのだ。そんなジュニア時代と比べて、何か変わったのだろうか。

「ダメになったことは、パターです。下手になりました。昔は苦手意識が一切なくてけっこう入っていたんですけど、やっぱりプロになると、特にパッティングはいろいろ考えることが増えたんです。こういうストロークがいいのかなとか。入らないときにはなおさら考えちゃったりするし、入らないという先入観でまたさらに入らなくなったり……ループです」

「アマチュアの頃は賞金も何もかかっているわけではないですし、やっぱりプレッシャーはそのぶん少なかったりするので。今でも、何も考えずに打てたらたぶん、パットももっと上手くいくとは思うんですけどね」。まず、ダメになったことを答える小祝。しかし、成長したことは、もっとたくさんある。

画像: こちらもアマチュア時代。2016年のmeijiカップは優勝がイ・ボミ、ベストアマが小祝さくらでした

こちらもアマチュア時代。2016年のmeijiカップは優勝がイ・ボミ、ベストアマが小祝さくらでした

「成長もいっぱいあります。ショットでの球の高さが変わりました。すごく低くなったんです。私は昔、ありえないくらいすごく球が高くて、風が吹いたらヤバイ感じだった(笑)」

「でも、スウィング改造に取り組んできたというのもあるんですけど、球も強くなって、ラインで狙えるようにもなりました。風が強い日に対応できるようになったり、飛距離も伸びました。まあ今でも、平均よりは高いんですけどね。あとは、アプローチの技術は増えましたし、バンカーショットだって、アマチュア時代は本当に下手だったので」。

そんな小祝さくらが今思う、ジュニア時代にやっておけばよかったこととは?

「うーん、何でしょうかねえ。もっとクセのないスウィングにしておきたかったなと思います。やっぱりずっとやってきたスウィングのクセは今でも抜けなくて、直したいところはけっこうあるんですけど、10年以上やっているスウィングはなかなか直らないんです。最初から今やりたいスウィングを教わっていれば、苦労もかなり減るじゃないですか。大人になって直そうと思うと、なかなか難しいものですよ」

しかし、最後にジュニアの皆さんへのアドバイスを求めると、「楽しくやることが一番です。ゴルフが上手くいかなくても死ぬわけではないです」と、さくららしい回答で締めてくれるのだった。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年11月7日号より(PHOTO/Shinji Osawa)

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