小ぶりなツアーモデル。ラインに対してスクエアに構えやすい
ミズノの最新アイアン『Mizuno Pro 241』を紹介する。7番のヘッドとクラブ(シャフトは『ダイナミックゴールドHT・S200』仕様)を計測し、数値はすべて実測値だ。
クラブ長さが36.75インチとやや短いが、クラブ重量は441.5gと非常に重いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが274万g・㎠と大きくなっている。この数値だと、本来はドライバーのヘッドスピードが48m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れるだろう。
マッスルバックのツアーモデルらしくオーソドックスなヘッド形状、かつ、大きさはかなり小ぶり。そして、フェースプログレッション(FP値)が5.2ミリと超ストレートネックでラインに対してスクエアに構えやすくなっている。
実際に試打したところ、まずアドレスでは61.2度という実測のライ角よりもフラットに感じられ、かつ、フェース面にはあまり球をつかまえ過ぎない逃げ感がある。そして、試打シャフトは重めで硬くしっかり感があり、ヘッドスピードの速い力強いスウィングに耐えてくれる。
上級者が好む顔と打感を持っている
軟鉄のマッスルバックなのでフェース面の肉厚は厚く、インパクト音は低く、上級者が好む打感で、ボールの品種の違いも感じられる繊細なフィーリングも出ている。小ぶりのヘッドは、夏のラフからの抜けも良く、重心距離も33.8ミリと非常に短いので、結果的にネック軸回りの慣性モーメントも4513g・㎠と小さい。これならダウンスウィングでヘッドを操作でき、インテンショナルにドローやフェード、弾道の高低も含め打ち分けやすい。
そして、ロフト角34.2度と一般アベレージ向けのようなストロングロフト設定ではないので,球は上がりやすく、かつバックスピン量も多めで弾道と飛距離が安定する。これはヘッドスピードの速いゴルファーにとってスコアメイクに役立つだろう。
ソール幅は狭めだが、むしろ芝がない悪いライやディボット跡のようなライでは球にコンタクトしやすく、難しい場面でも上手く打ちやすくなっている。また、バウンス角は5.2度とやや大きめ、かつソール面も丸いので、ダウンブロースウィングでターフを取るときのソールの抜け感は抜群だ。
フェース面のスイートスポット(SS)位置はフェース中央よりも少しヒール寄りで、ダウンスウィングで球をヒール側に引き付けて打てるフェード系プレーヤーと相性がいいだろう。
ヘッドの慣性モーメントは2122g・㎠と非常に小さく、寛容性の高いヘッドではないが、ピンへ向かって狙った距離を打てる、”これぞアイアン“と言えるモデルだろう。
これが「Mizino Pro 241」アイアンの計測データだ
FP値が5.2ミリの超ストレートネック。ターゲットにスクエアに構えやすく、米国モデルに比べてフラットなライ角(61.2度)と逃げ感のある顔で球をつかまえ過ぎるイメージがなく、上級者が振っていける。
また、5.2度とやや大きめのバウンス角と丸くて狭めのソールで、悪いライで球にコンタクトしやすく、ダウンブローでの抜け感は良好。
重心距離は33.8ミリと非常に短く、少しヒール寄り。球を引き付けて打てるフェード系プレーヤーに向いている。ネック軸回りの慣性モーメントが4513g・㎠と小さいのでインテンショナルに球を操作できる。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年11月14日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より