男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップ」の翌週、JGTO広報部から1通の知らせが届いた。その内容とは、過少申告で1人の選手が失格になったということだった。その選手の名はツアー2勝、45歳のジュビック・パグンサン(フィリピン)。まずは失格に至る経緯をたどってみる。
画像: 「マイナビABCチャンピオンシップ」から数日が過ぎて、競技成立後に過少申告で失格となった45歳のジュビック・パグンサン(写真は2021年)

「マイナビABCチャンピオンシップ」から数日が過ぎて、競技成立後に過少申告で失格となった45歳のジュビック・パグンサン(写真は2021年)

最終日の18番ホールパー5で「9」を「8」と過少申告

「マイナビABCチャンピオンシップ」が終了して数日が過ぎた頃、本人から「提出したスコアが間違っていた可能性がある」との申し出があったという。

JGTOが精査した結果、最終日の18番ホールパー5で「8」としていたのは誤りで、事実は「9」であったことが判明。

これは過少申告にあたると判断し、失格にしたという。

同大会でパグンサンは8位タイだったが、失格となったことを受け、成績や賞金配分、部門別データなどは訂正されている。

ゴルフ規則20.2e(2)の"失格"の部分だけ要約すると、

「競技が終了した後でも、プレーヤーが実際のスコアより少ないスコアを提出した場合はプレーヤーを失格にしなければならない」

とある。大会の各ラウンド終了直後であれば珍しいことではないが、翌週に発覚して失格処分になるのは異例で、JGTO発足以来、初のことだという。

過少申告で失格になった例は、15年の女子ツアー「ブリヂストンレディス」2日目の鈴木愛。

前日のプレーで、本来は2罰打(ハザード内にあるルースインペディメントを取り除いた)のところを1罰打とカウントし、スコアカードを提出。翌日にこれが露見して失格となってしまった。ただ、現在はラウンド終了後の過少申告は少なくなっている。

というのも、以前はスコア提出箱にスコアカードを入れた瞬間にスコアの訂正は不可能だったが、現在はスコア提出場所(クラブハウスなど)を出なければ、競技委員などの指摘で訂正できるようになったからだ。

いずれにせよ、「自分が審判」という大原則があるからこそ、ゴルフという競技が高い精神性を持つということを忘れてはなるまい。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月5日号「バック9」より

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