
LPGAツアー17勝。2004年に引退を表明し、その後はゴルフチャンネルのコメンテーターとして活躍
強風と寒さに選手が苦戦したファーマーズインシュランスオープン最終日、ペッパーは優勝したハリス・イングリッシュの最終組に張り付いてレポート。だが前半だけで3時間かかる遅さに呆れ「ねぇ、フランク」と放送席のフランク・ノビロに呼びかけると「もううんざり。スロープレーの解決に必要なのはリスペクト(尊敬)じゃないかしら。同伴プレーヤー、ファン、放送、すべてをもっとリスペクトすべき」と語った。
するとノビロも「よく言った!」と賛同。ペッパーはLPGAツアーでメジャー2勝を含む17勝を挙げた元スター選手。ゴルフキャスター歴も長い。ファーマーズも前週のジ・アメリカン・エキスプレスでも最終日最終組はほぼ6時間ペースで放映時間を延長しなければならなかった。
その事態にツアーが行動を起こす必要があるかどうかではなく「なぜこれ以上対応を遅らせるのか」という疑問を投げかけたのだ。
LIVの出現などにより長時間テレビの前で観戦するファンはもはや貴重。それなのにツアーはファンの好意に甘え、見るのが当然と考えている。観客動員もジ・アメリカン・エキスプレスの最終日は24年の半分に落ち込んだ。26年から出場枠を減らすことでプレーのペースを改善することが決まった。
しかし選手からは反発も。もっとも早い選手のひとりマシュー・フィッツパトリックはSNSで長年ツアーがスロープレーのペナルティを「とんでもないほど欠いている」と訴える。
欧州ツアーは40秒ルール(40秒以内に打たなければ1罰打)を徹底しているが、賞金を上げてLIVへの流出を防ごうとしたPGAツアーに今必要なのはペッパーが言うようにスロープレーの具体的防止策とファンファーストだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年2月18日号「バック9」より