大型化により慣性モーメントが増大し、開いたフェースを戻しにくいという特性を持つ現代のドライバー。道具に合わせ、フェースローテーションを抑えたストロンググリップが近年主流な傾向にある。ストロンググリップでフェースをシャットに使って振るためのコツを、プロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて詳しく解説してもらおう。

トップでのフェースの向きを確認しよう!

左手のグリップの握り方がスクエア系かストロング系かによって、適切なスウィングのタイプも変わります。今回は、近年のドライバーショットの傾向についてイラストレッスンで解説していきましょう!

昔と比べると、現代のクラブはヘッドがとても大きくなり、重心距離も長くなりました。重心距離が長くなると慣性モーメントが大きくなり、直進性がUPするようになります。

画像: 現代のドライバーは大型化によって慣性モーメントが増大し、直進性が上がった。そのぶん開いたフェースがスクエアに戻りにくい性質がある

現代のドライバーは大型化によって慣性モーメントが増大し、直進性が上がった。そのぶん開いたフェースがスクエアに戻りにくい性質がある

そのおかげでミスの曲がり幅を軽減することができるのですが、スウィング中にフェースが開くと、スクエアに戻りにくいという性質があります。そのため、近年では大型ヘッドのドライバーショットではフェースローテーションを抑えたストロンググリップ系のスウィングが主流の傾向です。

正しいトップの位置は出前持ちのポーズと良く似ているのですが、このポジションに収まるには、右の手首と右肘の角度の動きが大切になってきます。

もし、右わきが空いた状態で右肘が外向きになってしまうと、右手首を甲側に折ることができずにアドレスの時のままの角度でクラブを持ち上げてしまいます。こうなってしまうと、体の回転に腕が逆らった評価になってしまうので軸回転運動が出来なくなってしまい、手打ちのミスが起こってしまいます。

画像: シャットにクラブを上げる=トップに向かって右手首を甲側へ折り曲げるためには右肘を下に向けて動かすことが大切。そのためには右わきが空いていることが前提となる

シャットにクラブを上げる=トップに向かって右手首を甲側へ折り曲げるためには右肘を下に向けて動かすことが大切。そのためには右わきが空いていることが前提となる

トップに向かって右手首を甲側に折る際は、右肘を下に向けて動くことがセットということを覚えておきましょう! イラストAのようにフェースが閉じた状態=シャットの目安は空に向かったフラットなポジションです。

画像: イラストA:シャットの目安はフェースが空に向くこと。右手を甲側に折るヒンジと左手を手のひら側に折る掌屈によって作られる

イラストA:シャットの目安はフェースが空に向くこと。右手を甲側に折るヒンジと左手を手のひら側に折る掌屈によって作られる

このトップの位置は、とても窮屈なので個人の骨格(体格・腕の長さ・関節の向き・可動域)によってトップでのフェースの向きに差が出てきます。手首や、肩関節周りが柔らかい人は、左手首を手のひら側に折ってフェースを閉じるシャットのポジションを迎えることができます。

しかし、関節が固い人が無理に作り込んでしまうと、手首の使いすぎや、力みの原因になってしまうので注意が必要です。そんな方は、トップで左腕と左手の甲をまっすぐに揃えるトップを参考にして下さい。このポジションでもフェースを閉じた状態のシャットを保つことができるのでフェースローテーションを抑える効果を得ることができますよ!

画像: 関節が固い人が無理にフェースをシャットにしようとすると、手首の使い過ぎや力みの原因になる。トップで左腕と左手の甲が一直線になるくらいでも十分シャットなので、関節が固い人は目安にしてみよう

関節が固い人が無理にフェースをシャットにしようとすると、手首の使い過ぎや力みの原因になる。トップで左腕と左手の甲が一直線になるくらいでも十分シャットなので、関節が固い人は目安にしてみよう

無理せず、上記を参考にご自身に合ったトップのポジションを目指していきましょう! トップでできた右手首、右肘の角度を保ったまま胸を左に回すとクラブはシャットのまま下りてきます。さらに下半身リードでスウィングをリードすることができると、ハンドファーストインパクトによって若干フェースが開きフェースをスクエアに保つことができるようになります。

ドライバーでなかなかつかまったボールが打てない人は、是非ストロンググリップ系のスウィングとセットでトップの位置を参考にされて下さい!

This article is a sponsored article by
''.