「コースを延ばすのも限界。飛ばないボールの採用が急務」(二クラス)
「15年前よりボールが飛ぶようになったのは明らかです。今後もこの傾向が続くことは疑いの余地はありません。絶え間ない飛距離アップや環境の観点から、私たちは何かをしなければなりません」
とスランバート氏。
「まだ公開していませんが、飛距離に関するレポートを見るとゲームの存続のため我々がすべきことがわかります」
20年の全米オープンでブライアン・デシャンボーが優勝したとき、
「ゴルフが違うゲームになった」
といわれたものだが、それ以前にもジャック・ニクラスらは、
「コースを延ばすのも限界。飛ばないボールの採用が急務」
と訴えてきた。
23年の初めには飛距離の影響に対処するため、修正された打ち出し条件でテストされたゴルフボールの使用を義務付けるオプションをローカルルールに採用することが提案されたが、各方面から歓迎されなかった。
「エリートレベルで二分化する試合が生まれるのではないかという見方があり、PGAツアーやPGAオブアメリカからも反発がありました」(スランバート氏)
しかしR&Aと全米ゴルフ協会(USGA)は足並みを揃え、
「ゴルフの長期的な将来のため、飛びすぎるボール規制に乗り出す決意」
を強調。
「何百年も続いているゲームを、これからさらに何百年続けることに対して責任があるからです」
どんな対策を講じるべきか現在検討中だそうだが、年末までには方向性を示すと語ったスランバート氏。
一部ではエリートクラスの競技用ボールに規制を設け、アマチュアが使用するボールは現代テクノロジーを生かした「これまでの流れ」を踏襲するといわれているが、すべての人が納得する解決策を見出すのは難しい。
さまざまな利害関係者に真っ向から対処する必要があるが、今後の行方は?
※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月19日号「バック9」より