脳腫瘍で治療中の19歳の息子から刺激
センデンは18カ月前にパーキンソン病と診断された。
筋肉がこわばり、手足が動かしにくくなるなどの症状が特徴で、彼の場合はスタート前に自分の名前がコールされると、
「突然右腕が震え始めて止まらなくなる」
症状をコントロールできないのはもどかしいが、それでも彼は競技の舞台に立ち続け、
「やめるつもりはない」
と気丈に語る。
フォーティネット全豪プロ選手権に出場した際にABCスポーツのインタビューに答え、闘病中の現在も
「ジムに通い、健康を維持し、"オープンな姿勢"を保つように努めている」
と打ち明けた。
「なぜならパーキンソン病はときとして自分をクローズな状態に閉じ込め、憂鬱な気分になりがちなので、そうならないように努力しているのです」
現在52歳。米シニアツアーなどでプレーを続けるセンデンは、
「何ごとに対しても気楽な気持ちでいることが大事。病気は消えるわけではないけれど、まだプレーすることができるし、今もゴルフを楽しんでいる」
と胸を張る。
フォーティネット全豪プロ選手権では19歳の息子ジェイコブ君がキャディを務めたが、残念ながらカットラインに1打及ばず予選落ち。それでも親子にとってかけがえのない時間だった。
というのもジェイコブ君、6年前に脳腫瘍と診断され、アメリカとオーストラリアで治療を受けてきた。
センデンも近親者のメディカルエクステンション(公傷制度)によりツアーを欠場し、看病に明け暮れた。
そんな背景があるだけに回復した息子との共演は、
「息子の成長がうれしかった。間違いなくインスピレーションになった」
という。ジェイコブ君が回復した今、
「自分の人生を生きなければと感じている」
とセンデン。彼のゴルフ人生はこれからも続く。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月19日号「バック9」より