PGAツアー2勝のプロがパーキンソン病と闘いながらプレーを続けている。2006年のジョンディアクラシックと14年のバルスパー選手権で優勝しているオーストラリアのジョン・センデンだ。
画像: パーキンソン病と闘いながら米シニアツアーに参戦するジョン・センデン(PHOTO/Getty Images)

パーキンソン病と闘いながら米シニアツアーに参戦するジョン・センデン(PHOTO/Getty Images)

脳腫瘍で治療中の19歳の息子から刺激

センデンは18カ月前にパーキンソン病と診断された。

筋肉がこわばり、手足が動かしにくくなるなどの症状が特徴で、彼の場合はスタート前に自分の名前がコールされると、

「突然右腕が震え始めて止まらなくなる」

症状をコントロールできないのはもどかしいが、それでも彼は競技の舞台に立ち続け、

「やめるつもりはない」

と気丈に語る。

フォーティネット全豪プロ選手権に出場した際にABCスポーツのインタビューに答え、闘病中の現在も

「ジムに通い、健康を維持し、"オープンな姿勢"を保つように努めている」

と打ち明けた。

「なぜならパーキンソン病はときとして自分をクローズな状態に閉じ込め、憂鬱な気分になりがちなので、そうならないように努力しているのです」

現在52歳。米シニアツアーなどでプレーを続けるセンデンは、

「何ごとに対しても気楽な気持ちでいることが大事。病気は消えるわけではないけれど、まだプレーすることができるし、今もゴルフを楽しんでいる」

と胸を張る。

フォーティネット全豪プロ選手権では19歳の息子ジェイコブ君がキャディを務めたが、残念ながらカットラインに1打及ばず予選落ち。それでも親子にとってかけがえのない時間だった。

というのもジェイコブ君、6年前に脳腫瘍と診断され、アメリカとオーストラリアで治療を受けてきた。

センデンも近親者のメディカルエクステンション(公傷制度)によりツアーを欠場し、看病に明け暮れた。

そんな背景があるだけに回復した息子との共演は、

「息子の成長がうれしかった。間違いなくインスピレーションになった」

という。ジェイコブ君が回復した今、

「自分の人生を生きなければと感じている」

とセンデン。彼のゴルフ人生はこれからも続く。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月19日号「バック9」より

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