度々話題に上がる”ボール規制”について「年内に方向性を示す」としていたR&AとUSGAがついに正式なコメントを発表した。

一般ゴルファーへの影響は最小限に

ゴルフボールの飛距離制限の話は過去にも何度か紹介してきた。今年3月に提案が公開されて以降、これまで同制限が有効となるのは、エリート競技に出場するプロやトップアマのみとされていたが、これによりクラブ選手権など一般ゴルファーが参加する競技でも義務付けられることになる。

画像: 2023年ZOZOチャンピオンシップでティーショットを打つコリン・モリカワ。(PHOTO/中村修)

2023年ZOZOチャンピオンシップでティーショットを打つコリン・モリカワ。(PHOTO/中村修)

発表によれば、エリート競技に関しては2028年から、一般ゴルファーは2030年から新認定級を使用しなければならなくなるということだ。もちろん仲間同士でラウンドするときは自由にボールを選ぶことができるが、2030年以降、多くのボールメーカーが認定球を中心に発売することになれば、実際のところは、ほとんどのゴルファーが”飛ばない”認定球を使うことになるだろう。

新たな認定球はロングヒッターで13~15ヤードほど、一般的な男子プロで9~11ヤード、女子プロで5~7ヤードほど飛距離が落ちるとR&Aは予想している。一般のアマチュアゴルファーは5ヤードか、それ以下の影響が出るという説明だ。

R&Aのマーティン・スランバース会長は、声明のなかで「今回の決定がゴルフの尊厳を守り、ゴルフの持続可能な将来を作るのに必要な鍵の一つであることを確信している」としつつ、「もう一つ重要なことは、一般ゴルファーへの影響を最小限に抑えること」と語っており、確かに5ヤード以下の飛距離低下は軽微にも見える。

今回の決定は、テストの際のスウィングスピード(ヘッドスピード)を従来の時速120マイル(約53.3m/s)から125マイル(約55.5m/s)に変え、打ち出し角度を10度から11度に変えることによってボールの飛距離を制限しており、当初と比べ、若干影響が少なくなったとはいえそうだ。

とはいえ1ヤードでも飛距離を伸ばそうと努力してきたゴルファーや、テクノロジーを追求してきたメーカーにとっては痛い話。このまま完全に決着するのだろうか?

※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月26日号「バック9」より

※12月12日16時13分 一部加筆修正しました。

This article is a sponsored article by
''.