小祝さくらは、友だちを大事にする。今も、高校時代(飛鳥未来高校)の友人とも仲がよく、今年も地元北海道での試合に招待した。若林愛恵(まなえ) さんが、その一人だ。さくらがプロになってから、コロナ禍で大会がないとき以外はずっと、北海道の試合で1日は応援に行くようにしているという。
「1人で行くときと、兄と一緒に行くときと。私は高校のときからさくらと仲がよいのですが、プロになって応援したいと思い、意外に近くでも試合をするので見に行ったら、ゴルフにもハマっちゃいました。さくらのことは、人としても好きです。面白いですしね(笑)」
プレー中のさくらは、「カッコいいし、集中力とかは普段と全然違う。顔つきが変わって、もう本当にすごいなあと思います」。今年は、ミネベアミツミレディスで念願の地元初優勝を飾った。「その瞬間を見られたんです。周りとハイタッチして喜びました」
さくらの第一印象を聞いてみよう。「天然(笑)。実は、私と仲よくなったきっかけは、周りの子に『なんだか、雰囲気が似ている子がいるよ。性格も面白い子だよ』と言われたからなんです」
確かに、愛恵さん、ほんわかムードを醸し出している。「試合のボランティアの人にも聞かれます。姉妹か? って」
さくらは高校時代も、「あのまんまでした」という。「でも、勉強は苦手な感じでしたけど。私のノートを丸写しでした(笑)」と、さくらにとってはちょっぴり〝イタい〟エピソードを話してくれるのも、さくらへの愛情とサービス精神からだ。
「だけど、言うときはきちんと言ってくれるのもいいんです。さくらは、ウクレレをやっているくらいだから、歌を聞いたりするのは好きなんですけど、自分で歌うのはたぶん苦手。でも、友だちとカラオケに行こうとなると、仕方なく付き合うじゃないですか。私もそうなんですよ。でも、私が行けなかったとき『愛恵ちゃんは行かなくてよかったよ。だって、歌、下手そうだもん』って、ちょっと笑いに変えて言ってくれる。かえってラクになる。人のことをよく見て言ってくれているなって」
プロになっても何も変わらず接するというさくら。「お高くとまるわけでもなく、生活も環境も違うし、都会に住んでいるけれど、常にこっちの気持ちもわかってくれる。だから1年間で、北海道の大会のときしか会えないけれど、変わらないから安心するし、それが好きですね。あ、見た目も変わらないですよ」
地元でトークショーをするときも見に行く。「外で話すさくらを見られるのがいいんです。でもまあ、答えに困って笑ってごまかしてるなあって思うときもありますよ(笑)」とさくらに負けず、ちょっぴり毒舌な愛恵さん。話は次回に続きます。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月19日号より(PHOTO/Shinji Osawa)