山下美夢有が9つの国内女子ツアー記録を樹立
先日のアワードで個人4冠を達成した山下美夢有。4冠のひとつ『JLPGA栄誉賞』は、①JLPGA史上初となる2年連続獲得賞金2億円突破②平均ストローク③平均パット数(パーオンホール)④平均バーディ数⑤パーブレーク率で新記録を達成ことへの賞となっている。この5つだけでなく、4日間大会の2週連続優勝や生涯獲得賞金5億突破など合わせて9つのツアー記録を樹立している。
山下美夢有が達成した9つの記録
① 史上初の2年連続獲得賞金2億円超
② 史上最少平均ストローク「69.4322」
③ 最小平均パット数(パーオンホール)「1.7256」
④ 歴代最高の平均バーディ数「4.3828」
⑤ 歴代最高のパーブレーク率「24.5082」
⑥ 史上初、2週間連続4日間大会V(ブリヂストンレディス⇒リゾートトラストレディ)
⑦ プロ4年目で最年少記録、生涯獲得賞金5億円突破
⑧ 史上最年少の2年連続女王誕生
⑨ 史上初の2年連続平均ストローク60台
2023年の開幕直後こそ、強かった22年終盤戦と比べ、やや低調な印象を受けたが、前半戦だけで4勝と強さを見せた。その後は海外遠征を挟んだことで体調を崩し、優勝こそ最終戦のリコーカップまでお預けとなったものの、終わってみれば2年連続女王に載冠し、記録ラッシュのシーズンとなった。国内女子ツアー史上最多連続女王は68~76年に樋口久子が達成した9年連続。今後、この記録に迫れるか⁉
史上初、最年少、最多、最長……。国内ツアーでは若手が躍動!
まずは国内男女ツアーから。最終戦までもつれた女王争い、世代交代がさらに進んだ男子ツアーと23年も見どころ満載だったが、新たな記録も多く生まれていた!
【史上初】岩井明愛と千怜の双子がともに複数回V
KKT杯バンテリンレディスで姉・明愛がレギュラーツアー初優勝を果たしたことで、22年に2勝を挙げている妹・千怜と史上初となる双子優勝を達成。さらに千怜が年間2勝、明愛は年間3勝をする活躍を見せたことから、双子で年間複数回優勝達成という快挙も成し遂げた。
【史上初】山内日菜子が主催者推薦枠繰り上げから/アクサレディスin宮崎
前年のQTランキングで144位と下部ツアー出場さえ叶わない状況のなか、本来主催者推薦を受けるはずだった選手の故障のため、繰り上げでアクサレディスに出場して優勝。その後、当該年優勝者の資格で32試合に出場。シード権獲得までつなげた。
【史上最多タイ】小祝さくらは8ホール連続バーディ/楽天スーパーレディース
大会2日目の1番でいきなりバーディを決め幸先の良いスタートを切ると、4番から11番まで歴代最多タイの8連続バーディを達成。この記録は11年スタンレーレディス最終日の諸見里しのぶ、17年富士通レディース2日目の成田美寿々に続く3人目。
【史上2位の年少記録】高校2年生の藤本愛菜さんがホールインワン/大王製紙エリエールレディス
大会初日、池越えの3番パー3でエースを決めた藤本さん。プライベートラウンドを含む自身初となる、16歳266日でのエース達成は、12年ダイキンオーキッド2日目に伊波杏莉さんが記録した15歳347日に次ぐツアー史上2番目の最年少記録となった。
【史上最長】17ラウンド連続60台を星野陸也が達成
関西オープン2日目に石川遼がセルヒオ・ガルシアの「15」に並んだが、翌週のISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 3日目に星野陸也が17ラウンド連続を達成して記録更新。ところが、首位と2打差の4位タイからスタートした最終日に「75」と崩れてしまい、優勝と記録継続を逃すこととなった
【大会史上最年少】平田憲聖が22歳246日で日本プロ優勝
初日に首位タイに立つと、4日間一度も首位を譲ることなく完全優勝でメジャー初制覇を達成した平田。22歳246日での勝利は、1973年のツアー制度施行後では21年のキム・ソンヒョンの22歳290日を抜いて、大会史上最年少優勝記録となった。
【大会史上最年少】蟬川泰果が42年ぶりに日本シリーズの優勝記録を更新
最後まで優勝がわからない激しい戦いを制して、アマ時代の日本オープンに続くメジャー2勝目。22歳326日での優勝は、1981年の羽川豊の記録を42年ぶりに更新する快挙。この勝利で賞金ランク2位に浮上し、24年シーズンの欧州ツアーの出場権を獲得した。
【史上最多】中島啓太はシーズン9回の最終日最終組を経験
シーズンを通して9回も最終日最終組でプレーした中島。そのうち優勝が3回、2位が5回、3位が1回と、すべて3位以内でフィニッシュ。優勝争いをするプレッシャーのなかでもスコアを大きく崩すことのない精神力の強さと、安定した技術力の高さで賞金王をもぎ取った。
【史上最高】生源寺龍憲がABEMAツアー獲得賞金額で後輩・久常涼を抜く
今季10試合に出場し2勝を挙げるなど、1125万3106円を獲得して下部ツアー賞金王に輝いた生源寺。それまでの最高額だった22年久常涼の1092万2467円をわずかに上回った。また、JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP byサトウ食品で9位に入るなどレギュラーツアーにも13試合出場した
日米下部ツアーを比べてみた
コーンフェリーツアーの賞金総額は国内男子ツアーの約33億4000万円をも超えて圧倒的。国内男子のABEMAツアーは試合数が12とその少なさが目立ち、賞金総額も他ツアーに大きく離されている。女子の試合数は日米同じだが、賞金総額はやや米国が優位。
賞金総額(試合数) | 賞金ランク1位 | |
米国男子/コーンフェリーツアー | 約41億円(26試合) | 約1億円(ベン・コールズ) |
米国女子/エプソンツアー | 約7億3000万円 | 約2350万円(ガブリエラ・ラッフルズ) |
国内男子/ABEMAツアー | 1億85000万円(12試合) | 1125万円3106円(生源寺龍憲) |
国内女子/ステップ・アップ・ツアー | 5億5000万円 | 2498万8750円(ウー・チャイェン) |
※週刊ゴルフダイジェスト2024年1月2日号「2023 ツアーマニア総決算」より一部抜粋