PGAツアーのザ・アメリカン・エクスプレスで新星が誕生した。世界アマランキング3位のニック・ダンラップが91年のフィル・ミケルソン(ノーザン・テレコム・オープン)以来33年ぶりにアマチュア優勝を成し遂げたのだ。アラバマ大学の先輩ジャスティン・トーマスとツアー5勝のサム・バーンズとの最終日最終組対決を制した20歳が大会記録を更新する歴史的勝利を達成したが、じつは彼、少年時代から凄かった!?

4日間で3つのコースをプレーするプロアマ形式の変則トーナメント。3日目にラキンタCCを回った大学2年のダンラップはノーボギーの12アンダー60をマークし後続に3打差をつけ単独トップに踊り出た。

4打差の3位で最終日ダンラップと同組になった大学の10年先輩トーマスは「一緒に回ったことはないけれど凄い選手だと聞いている。アラバマ大にとって明日(最終日)は素晴らしい1日になるだろう。シーウェルコーチ(ゴルフ部のコーチ)はきっとテレビに釘付けになるだろうね」と語っていたが、コーチはいてもたってもいられず自宅を飛び出しカリフォルニアの会場(TPCピート・ダイスタジアムC)まで応援に駆けつけた。

画像: PGAツアー「ザ・アメリカン・エクスプレス」を制したニック・ダンラップ(写真/Getty Images)

PGAツアー「ザ・アメリカン・エクスプレス」を制したニック・ダンラップ(写真/Getty Images)

前半は実績に勝るバーンズが引っ張る展開。ところが大詰めアイランドグリーンの17番パー3でティショットを池に打ち込みダブルボギーを叩いたバーンズが後退しダラップがトップに浮上。

最終18番ではティショットを大きく右に曲げるピンチもあったが200ヤード強の第2打をグリーン右に外したもののアプローチをピンそば1.5メートルに寄せてパーをセーブ。先にホールアウトしていた南アのクリスティアン・ベズーデンハウトに1打差をつけ大会新記録の通算29アンダーで勝ち切った。

「もちろん緊張したしプレッシャーもありました。でもプレッシャーは僕にとって特権」といい放ったダンラップ。全米ジュニアと全米アマチュアの両方に勝ったのはそれぞれ3連覇を達成しているタイガー・ウッズ以来史上2人目。そして今回ミケルソン以来となる史上8人目のアマチュア優勝を達成し「かなりクールですね」と若者らしい感想を口にした。

土曜日にあわや59をマークした彼にとって50台のスコアは目新しいものではない。弱冠12歳のときアラバマのホームコースですでに59を達成しており、昨年カレッジゴルフの試合でも59をマークしているのだ。

この優勝で向こう2年間(26年まで)のツアー出場権を獲得。もしプロ転向すれば今後優勝賞金5億円弱のシグネチャーイベント(昇格試合)への出場も可能になる。ちなみにシグネチャーイベントに出場できるのはツアーメンバーだけ。プロ転向しなければ出られないことになる。

欧州ツアーの新人王に輝き今季PGAツアーの出場権を掴んだ21歳の久常涼も最終日7つスコアを伸ばし11位タイとあと一歩でトップ10入りの健闘を見せた。これからは20代になったばかりの彼らがツアーの主役になる!?

※2024年1月22日14時00分、一部加筆修正しました。

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