芯を外しても曲がりにくく、飛距離が落ちないアイアンが「やさしい」と言われるが、最新の「やさしい」アイアンは、それに加えてロフトが立ってきているため、飛距離も出るようになっている。そこで7番アイアンのロフト角28度前後の厳選10モデルを打ち比べた。今回は「テーラーメイド Qi」と「パラダイム Ai スモーク」の2本。試打は「GOLF PLACE」でレッスンを行い、自らの試打データを弾道計測器並みの正確さで予測できる勝又崇之プロにお願いした。
画像: テーラーメイド「Qi」(左)とキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」(右)

テーラーメイド「Qi」(左)とキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」(右)

テーラーメイド Qi:低重心で球が上がりやすく初速がよく距離も出る

画像: ◎ヘッド素材/450SSステンレススチール(4I~8Iフェース&ボディ)、431SSステンレススチール(9I~SWフェース&ボディ)◎シャフト/Diamana BLUE TM60(S・R)、N.S.PRO 910GH(S)、N.S.PRO 820GH(S)◎価格/12万6500円(6I~PW)

◎ヘッド素材/450SSステンレススチール(4I~8Iフェース&ボディ)、431SSステンレススチール(9I~SWフェース&ボディ)◎シャフト/Diamana BLUE TM60(S・R)、N.S.PRO 910GH(S)、N.S.PRO 820GH(S)◎価格/12万6500円(6I~PW)

●試打シャフト/N.S.PRO 910GH(S)7番ロフト角/28度 重量/411グラム 長さ/37.25インチ

「球がつかまりやすくて上がりやすいのは、スチールのわりに動きがあるシャフトの影響もあるでしょう」。打ち出し角や弾道の頂点が十分に高いし、インパクトにかけてヘッドがターンするので球が右へ滑らない。

【試打結果】
キャリー●182.9Y
縦距離●190.8Y
初速●56.9m/s
打ち出し角●18.2度
スピン量●4774rpm
高さ●34.6Y
1Wのヘッドスピードが50m/sほどの勝又プロが自身のHSで打ったとき

見た目がボッテリしていなくても、やさしい要素が盛りだくさんの中空アイアン。

「リーディングエッジがストレートでターゲットへ向きやすいし、安心感のある大きめサイズでもカタチはスマート。ブレードが厚めで当たり負けない印象です。隠し味は、フェースのヒール側がいったんくぼんでから高くなっていること。フトコロでボールを包むようにつかまりそうです」 

実際に球を打つと、やさしく上がって球がつかまり、初速が出て飛んだ。しかもフェースのセンターに当たると、スピンが適度に入って球が浮くぶん、落下角がついてグリーンに止められるという。

「ソールはゆるやかにラウンドしていますが“一面ソール”なので、払い打ちのほうが合うでしょう。すくい打ちをしがちな人も、ソールが滑ってボールにコンタクトできます」

パラダイム Ai スモーク:中空構造とは思えないすっきり顔で弾きがよく、強い球

画像: ◎ヘッド素材/17-4ステンレススチール(フェース&ボディ)◎シャフト/TENSEI 50 forCallaway(R)、N.S.PRO 950GH neo(S)、N.S.PRO ZELOS 7(S)◎価格/13万7500円(6I~PW)

◎ヘッド素材/17-4ステンレススチール(フェース&ボディ)◎シャフト/TENSEI 50 forCallaway(R)、N.S.PRO 950GH neo(S)、N.S.PRO ZELOS 7(S)◎価格/13万7500円(6I~PW)

●試打シャフト/ N.S.PRO ZELOS 7(S) 7番ロフト角/28度 重量/394グラム 長さ/37.25 インチ

ミスヒットをしても球が散らばらないことはわかったが、あえてダフり気味に入れてもシャンクっぽく当たっても、十分に飛んでいた。そういうやさしいアイアンでありながら、ヘッドがシャープなだけに球筋の打ち分けも◎だ。

【試打結果】
キャリー●178.5Y
縦距離●187.1Y
初速●55.5m/s
打ち出し角●18.0度
スピン量●4658rpm
高さ●31.7Y
1Wのヘッドスピードが50m/sほどの勝又プロが自身のHSで打ったとき

フェースのどこに当たっても最適な弾道に補正するという、Aiスマートフェースを採用したアイアン。

これまでは、ストロングロフトと大きいヘッドはセットのようなものだったが「この『Ai スモーク』は思いのほかコンパクトです。しかも淡い色の仕上がりもあって、よりシャープに映る」という。でも球を打つと、やさしく強く飛んだ。

「ソールにタングステンウェイトが入っていたり、ホーゼルが短くてヘッドの重心が低くなっているので、ロフトが立っていても打ち出しの高さが出ます。一方で、打音がパチンと高くて弾き感があり、しっかりした感触が手に伝わってくる。"打ってる感"があって初速が速いし、スピンを程よく抑えた風に強い球です。アイアンで『デカいヘッドが苦手だけど飛ばしたい』という人にもってこいでしょう」

TEXT/Satoru Niida
PHOTO/Tomoya Nomura、Akira Kato
HNAKS/GOLF PLACE

※総重量は編集部調べ

※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月27日&3月5日合併号「やさしいアイアン研究室」より一部抜粋

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