テーラーメイド Qi:低重心で球が上がりやすく初速がよく距離も出る
●試打シャフト/N.S.PRO 910GH(S)7番ロフト角/28度 重量/411グラム 長さ/37.25インチ
「球がつかまりやすくて上がりやすいのは、スチールのわりに動きがあるシャフトの影響もあるでしょう」。打ち出し角や弾道の頂点が十分に高いし、インパクトにかけてヘッドがターンするので球が右へ滑らない。
【試打結果】
キャリー●182.9Y
縦距離●190.8Y
初速●56.9m/s
打ち出し角●18.2度
スピン量●4774rpm
高さ●34.6Y
1Wのヘッドスピードが50m/sほどの勝又プロが自身のHSで打ったとき
見た目がボッテリしていなくても、やさしい要素が盛りだくさんの中空アイアン。
「リーディングエッジがストレートでターゲットへ向きやすいし、安心感のある大きめサイズでもカタチはスマート。ブレードが厚めで当たり負けない印象です。隠し味は、フェースのヒール側がいったんくぼんでから高くなっていること。フトコロでボールを包むようにつかまりそうです」
実際に球を打つと、やさしく上がって球がつかまり、初速が出て飛んだ。しかもフェースのセンターに当たると、スピンが適度に入って球が浮くぶん、落下角がついてグリーンに止められるという。
「ソールはゆるやかにラウンドしていますが“一面ソール”なので、払い打ちのほうが合うでしょう。すくい打ちをしがちな人も、ソールが滑ってボールにコンタクトできます」
パラダイム Ai スモーク:中空構造とは思えないすっきり顔で弾きがよく、強い球
●試打シャフト/ N.S.PRO ZELOS 7(S) 7番ロフト角/28度 重量/394グラム 長さ/37.25 インチ
ミスヒットをしても球が散らばらないことはわかったが、あえてダフり気味に入れてもシャンクっぽく当たっても、十分に飛んでいた。そういうやさしいアイアンでありながら、ヘッドがシャープなだけに球筋の打ち分けも◎だ。
【試打結果】
キャリー●178.5Y
縦距離●187.1Y
初速●55.5m/s
打ち出し角●18.0度
スピン量●4658rpm
高さ●31.7Y
1Wのヘッドスピードが50m/sほどの勝又プロが自身のHSで打ったとき
フェースのどこに当たっても最適な弾道に補正するという、Aiスマートフェースを採用したアイアン。
これまでは、ストロングロフトと大きいヘッドはセットのようなものだったが「この『Ai スモーク』は思いのほかコンパクトです。しかも淡い色の仕上がりもあって、よりシャープに映る」という。でも球を打つと、やさしく強く飛んだ。
「ソールにタングステンウェイトが入っていたり、ホーゼルが短くてヘッドの重心が低くなっているので、ロフトが立っていても打ち出しの高さが出ます。一方で、打音がパチンと高くて弾き感があり、しっかりした感触が手に伝わってくる。"打ってる感"があって初速が速いし、スピンを程よく抑えた風に強い球です。アイアンで『デカいヘッドが苦手だけど飛ばしたい』という人にもってこいでしょう」
TEXT/Satoru Niida
PHOTO/Tomoya Nomura、Akira Kato
HNAKS/GOLF PLACE
※総重量は編集部調べ
※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月27日&3月5日合併号「やさしいアイアン研究室」より一部抜粋