ツアー解説でおなじみの佐藤信人プロ。今回は、今年の夏に開催されるパリオリンピック・ゴルフ競技の日本代表争いについて語ってもらった。(※星野陸也がDPワールドツアー初優勝、松山英樹がPGAツアーで9勝目を挙げる前の内容です)
画像: 米ツアー9勝目の松山英樹は代表確定!? 日の丸を背負うパリ五輪代表争い【佐藤信人アイズ】

今年はパリ五輪の開催年。男子はアメリカ、女子はアメリカと韓国が代表争いのレベルの高さでは抜けていますが、日本は2人の枠を5、6名で争うという点では激戦国。代表争いは24年前半の観戦の楽しみのひとつになるでしょう。

選考基準を整理すると、男子が6月17日、女子が同25日の世界ランキングを基準に代表選手が決まります。出場選手は男女とも各60人。まず、開催国であるフランスに1枠が無条件に与えられます。

残る59枠ですが、①世界ランク15位以内の選手(同国、同地域で4名まで)、②世界ランク16位以下の選手のなかから同国、同地域からランク上位の2名(ただし同国、同地域で世界ランク15位以内が2名以上いる場合は除く)というもの。

男子についていえば、スコッティ・シェフラーを筆頭に世界ランク15位以内に9人がひしめくアメリカ。日本は世界ランク15位以内は1人もいませんが、1月31日時点で松山英樹(54位)、久常涼(74位)、中島啓太(92位)、星野陸也(100位)、蟬川泰果(119位)、金谷拓実(125位)と続きます。(※2月11日に星野陸也がDPワールドツアー初優勝、2月18日に松山英樹がPGAツアーで9勝目を挙げて、2月19日時点の世界ランクと日本代表争いは大きく変動。松山20位、星野77位、久常78位、中島97位、蟬川124位、金谷129位となっている)

女子も同じような状況です。海外に主軸を置いている選手も多いため、男女とも日本ツアーはもとより、世界を注視する必要がありそうです。

男子は実力的には松山くんが当確かと思われますが、6月の時点の位置で状況が変わるでしょう。昨シーズンは、プレーオフ最終戦への連続出場記録が9年でストップ。

シード権は問題ないでしょうが、マスターズ、全米プロ、全米オープンと3つのメジャーを含む6月までに50位、30位以内への足がかりを作りたいところです。

現時点(1月31日)で2位につける久常は、いわゆる”久常ルート”で、今シーズンはPGAツアー参戦中です。昨年9月の欧州ツアー、フランスオープンの優勝をきっかけに、欧州ツアーのポイントランクで有資格者を除いた10番目に滑り込み、PGAの出場権を獲得しました。

実はこの大会の開催コース、パリ近郊のル・ゴルフナショナルは五輪開催コース。優勝したコースだけに相性も良く、気持ちよくプレーできるはずです。

PGAに挑戦しているだけに、こちらも選考までに、シード権のめどを付けておきたいところでしょう。昨年の賞金ランク1、2位の中島、蟬川も、22年の世界アマはこのコースで戦いました。団体戦は7位、個人戦は中島は53位と振るいませんでしたが、蟬川は3日間トップを走りながら、最後に逆転されて2位。相性の良さに加え、悔しさもあるでしょう。2人とも日本代表、五輪に熱い思いを抱く選手であり、今年は欧州ツアーでの戦いが多くなることもプラスに働くのではないでしょうか。

欧州ツアーでランクアップを狙う星野陸也と金谷拓実も忘れるわけにはいかない存在。東京五輪を争ったときは、星野に軍配が上がりました。最後の最後に選考漏れした金谷は、この後海外で思うような成績が出ずに苦しんだ印象もあります。それだけに"五輪でリベンジ!"との思いもありそうです。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Blue Sky Photos

※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月20日号「さとうの目」より

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