強い体幹と柔軟な筋肉で実現できるスウィング
スウィングを見て最初に感じるのは、「バックスウィングが大きい」ということです。これだけスウィングアークを大きくしながら、なおかつ軸をあまり左右に揺さぶらずにスピードを出して振れるというのがいかにも現代的で、ひと昔前の(体を左右に揺さぶって)体重移動で飛ばすというスウィングとはまったく違うところにいるという印象です。
当然、このスウィングの実現には、体幹の強さと筋肉の柔軟性、関節の可動域の広さが不可欠で、たとえばトップのポジションでいうと、右足がしっかり内旋(内側に回転)していて、股関節で体重を受け止めつつ大きく骨盤を回していることからもそれがわかります。
切り返しで少し沈み込むのは、後々伸び上がるための準備動作。ダウンスウィングでの右側屈と回転のバランスがよく、体が右に倒れすぎない(頭を残しすぎていない)ので、インパクトゾーンのヘッド軌道がシャローで、フェースがスクエアの時間が長く、速く振っても曲がらないスウィングになっています。
さらに、インパクトで左の上腕が回内(内側に回転)していますが、こうすると前腕が返りすぎるのを防げるので、左へのミスを消す効果があります。ちょうど、ブライソン・デシャンボーと同じ腕の使い方です。フォローサイドは、左サイドを伸び上がらせながら左腰を大きく回転していて、腰の前のスペースが広く、手の通り道がクリア。おそらくジュニアの頃からやっているジャンプ動作を、洗練した形で残している印象を受けます。
残りの2名、山下勝将選手と中野麟太朗選手のスウィング解説は、2024年2月20日号の「週刊ゴルフダイジェスト」に掲載中!
PHOTO/Tsukasa Kobayashi
※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月20日号「次世代選手のスウィング解説」より