百花繚乱の女子ゴルフ界でも世界に通用する選手たちが次々と頭角を現してきている。『週刊ゴルフダイジェスト』2024年2月27日&3月5日合併号では、目澤秀憲コーチがジュニア3選手のスウィングを解説! 今回は、昨年の日本女子アマで2位タイだった藤本愛菜選手のスウィングを取り上げていく。

ナチュラルな体の動きで“ドローになる”スウィング

女子ツアーの選手はドローヒッターが圧倒的に多いですが、男子プロほどの筋力がないために、やや無理に手を返してドローを打っているケースも少なくありません。藤本さんにはそれがなく、自分のナチュラルな体の動きとセットアップで「ドローになる」スウィングをしているのが、最大の特徴です。

切り返しでは、上体を右に倒しすぎずに、それでいてしっかり左(足)に圧力をかけられています。これによって得られる地面からの力を利用して体を回転し、なおかつドライバーに必要なアッパー軌道をうまく作れていると思います。

画像: 地面からの力を利用して体を回転させ、アッパー軌道をうまく作っている。

地面からの力を利用して体を回転させ、アッパー軌道をうまく作っている。

ドローを打つために、ボール位置を中に入れて(右足寄りにして)いますが、きちんと最下点の位置をコントロールして、ベストなポジションでボールをとらえています。また、インパクトで少しだけルックアップする感じで目線が上がっていますが、これによって胸のターンが促されるので、より手の返しに頼らなくて済むという利点があります。これも、最大効率のドローインパクトを追求するなかで意図的に行っている動きにつながっていると思います。

現状の体力ではほぼ理想的なスウィングをしているとは思いますが、あえて将来的な課題を挙げるとすると、ダウンスウィングで右足が内側に巻き込む点が気になります。仮にローリー・マキロイのように右足(右大腿部)を外旋させて使えるようになったとすると、スウィングの質がさらに向上するのはもちろんですが、けがのリスク軽減にもつながるはずです。

画像: 目澤は藤本のダウンスウィング時の右足の動きに注目。右のマキロイのように右足(右大腿部)を外旋させて使えるとよいという

目澤は藤本のダウンスウィング時の右足の動きに注目。右のマキロイのように右足(右大腿部)を外旋させて使えるとよいという

残りの2名、飯島早織選手と戸髙玲奈選手のスウィング解説は、2024年2月27日&3月5日合併号の「週刊ゴルフダイジェスト」に掲載中!

<飯島早織選手のスウィング解説はこちらから>

PHOTO/Tadashi Anezaki(藤本連続写真)、Blue Sky Photos(ローリー・マキロイ)、JGA(藤本プロフィール写真)

※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月27日&3月5日合併号「次世代選手のスウィング解説」より

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