豪州&アジア両ツアー共催のニュージーランドオープンで幡地隆寛が最終日に逆転しチャンピオンに輝いた。身長188センチの飛ばし屋にとって意外にもこれがプロ初優勝。デビュー以来いつ勝ってもおかしくないといわれながら10年間優勝に縁がなかった無冠の大器が海の向こうでついに覚醒した。

今年103回目の開催となった歴史ある大会をアジア勢が制したのは史上初。首位に1打差の3位タイからスタートした幡地はこの日ノーボギーの4アンダー67をマークし接戦を制すると「今日は本当に苦しかったので優勝できてうれしい。幸せです」と感無量の表情を浮かべた。

画像: ニュージーランドオープンを制した幡地隆寛(写真/Getty Images)

ニュージーランドオープンを制した幡地隆寛(写真/Getty Images)

最終組の1つ前でプレーした最終日1番からいきなりロングパットを沈めバーディを奪うなど課題だったグリーン上のプレーが冴えた。特に11番のパーセービングパットは圧巻。

本人も「11番でロングパットが入ったとき“行ける”と思った」と勝利を予感。豪州&アジアで12勝を挙げ50歳で大会最年長優勝を狙ったオーストラリアのスコット・ヘンドが17番でバーディをマークし、トップの幡地と通算17アンダーで並んだが、最終18番パー3で1メートルを外してまさかのボギー。

プレーオフを覚悟していた幡地は優勝が決まった瞬間両手を突き上げ、同行していた妻・志保さんと抱き合って喜びを爆発させた。

しかし相手のミスパットでの勝利に「スコット選手もとても良いプレーをしていたので最後のボギーは残念な気持ちです」と思い遣った。

アジアツアーのホームページは「ツアー史上最大の番狂わせの1つ」と報じ「30歳のハタジはこれまでプロでの勝利はなくキャリアベストは昨年の関西オープンの2位。(海外での)経験が浅いにも関わらず躍動しトーナメントを引っ張った」と伝えている。

アジアツアーでの日本人の優勝は昨年のインターナショナルシリーズ・オマーンで勝った金谷拓実以来。豪州ツアーを制したのは1989年のコカコーラクラシックで優勝した青木功以来の快挙だった。

優勝インタビューで「今夜はどんなお祝いをしますか?」と尋ねられると「たくさん連絡が来ると思うのでまずはそれに1つ1つ返事をして、あとはうれしさを噛み締めて過ごしたいと思います」と律儀に言葉を紡いでいた。

ニュージーランドで覚醒した大器は3月末に開幕する国内ツアーでも大暴れしてくれそうだ。

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