近年、ロングドライブ(ドラコン)選手権に出場している影響か、ドライバーと2本のFWは、クランクゴルフのフォーミュラ ファイアというドラコン競技寄りのモデル。ロフト6度のドライバーは5度に立てている。「性能はもちろん、形状が宇宙船みたいで気に入っている」とは、自身のYouTubeチャンネルでの言葉。
ドラコン競技の選手で、クラブにも詳しい山崎泰宏プロにこのブランドについて聞いてみた。「ファイアシリーズは、クランクゴルフのニューモデルで、デシャンボーが使うファイアLDは、シリーズの中で最もロースピンのタイプ。日本ではあまり知られていませんが、クランクゴルフ自体は10年以上前から続くメーカーで、ロングドライブ界では老舗的な存在です」
「実は私も打ったことがあり、ファイアシリーズは球のつかまりが良いのが特徴です。デシャンボーにとってはコントロールしやすいクラブだと思います。ヘッドの前後方向がスリムで、見るからに浅重心ですね。余談ですが、ロングドライブで3度世界チャンピオンになったカイル・バークシャーが2019年に初優勝した時のドライバーもクランクゴルフでした」
2本のFWもファイアシリーズ。1本をロフト12度に立て、もう1本はネック調整機能のないヘッドで、ロフト13度。一時期、テーラーメイドのバーナーミニドライバーをFWとして愛用していたが、この大会では外していた。
アイアンはピンi230で、全番手同一レングスのデシャンボー仕様。長さはおそらく37.5インチ。i230の標準は5Iが26度でPWは45度だが、本人いわく「PWは40度。ドライビングアイアン的に使う5Iは、ロフトを含めてかなり手を入れた」(前述のYouTubeにて)と大きくカスタマイズ。
4本のウェッジも、アイアンと同モデルのLA ゴルフ ブライソン シグネチャー ワンレングスシャフト。パターは、LA ゴルフ プロト パター。2020年の全米オープンに優勝した時のSIKプロシリーズを原形としたLA ゴルフのプロト。グリップもアームロック式の極太ジャンボマックス。ボールはかつてブリヂストンと契約し、ツアーBを愛用していたが、LIV移籍後はプロV1シリーズ。現在はニューモデルのV1xレフトダッシュ。
独自の理論をもとにした14本は、独創性をさらに強めていた。
B・デシャンボーのクラブスペック
1W/クランクゴルフ フォーミュラ ファイア LD(5度)・HZRDUS PROJECT X T1100 75(6.5)
3W/クランクゴルフ フォーミュラ ファイア 3+ ネック調整付プロト(12度)・HZRDUS PROJECT X T1100 75(6.5)
3W/クランクゴルフ フォーミュラ ファイア 3+(13度)・HZRDUS PROJECT X T1100(6.5)
5I~PW/ピン i230アイアン(PW=40度)・LA ゴルフ ブライソン シグネチャー
GW~LW/ピン GLIDE4.0(45・50・56・60度)・LA ゴルフ ブライソン シグネチャー
PT/LA ゴルフ プロト(SIK Pro Cシリーズ原形)・LA ゴルフ Pシリーズ
BALL/プロV1 レフトダッシュ
※スペックは編集部調べ
※1Wはネック調整でロフト6度→5度、プロトの3Wはロフト13度→12度
※スペックやスタッツは3月4日時点のもの
※週刊ゴルフダイジェスト2024年3月19日号より(PHOTO/Blue Sky Photos)