帝王ニクラスでさえ、不安なホールは番手を下げた
スコア100切りの達成を考えたとき、まず1番に避けるべきなのが「ティーショットでのOB」。もちろん日頃からOBを防ぐためにドライバーの技術を磨くことも大切だが、実戦では「ドライバーを持たないという選択肢も視野に入れたいですね」と兼濱。
「100切りの最低ライン、スコア99を達成するためにはボギー9回、ダボ9回が必要です。ここで考えたいのが、ボギーオンを達成するために必要な飛距離を飛ばす番手は本当にドライバーのみですか? ということです。ドライバーで打つのに少しでも不安があるなら、使うのは当然避けていいんです」(兼濱、以下同)
かのジャック・ニクラスでさえ、初日ドライバーでティーショットを打って上手くいかなかったホールは、2日目はスプーンに、3日目はドライビングアイアン、最終日は3番アイアンに……と番手を落としていたと兼濱。「ニクラスですら怖いと思ったら番手を下げる。自分の中で恐怖感があるまま打つショットほど無謀なものはありませんからね。そういうマインドを僕たちは真似するほうが絶対いいですよね。少しでも『ちょっと右怖いな』と思ったらもう番手は変えましょう」という。
「付随して言うと、やっぱり不安を抱えたまま打ってミスしてしまうと、ミス癖がついていきます。『またミスするんだろうな』というマインドになってしまうと、コースでの勝負弱さにつながっていき、どんどんコースでのドライバーが下手になってしまうんです」
もちろんラウンド1回だけで考えれば、その不安感も大したものではないかもしれない。しかし今後のゴルフ人生まで考えたらどうだろう。
「今後生涯200回ラウンドする機会があるとして、そのぶんだけドライバーに対して自信がなくなっていくと考えたら、そちらのほうが楽しくないですよね。飛ばして楽しみたいはずなのに、ドライバーを持ってちょっとネガティブな気持ちになってしまうんですから」
つまりスコアメイクの面だけでなく、メンタル面、そしてゴルフ人生という大きな視点から考えても「不安を感じながらも、無理にドライバーを持つこと」は避けるのが吉というわけ。まずは「ティーショットは絶対ドライバー」ではなく、ホールレイアウトと照らし合わせて「3打でボギーオンできるように飛ばせる番手」を逆算して選択してみよう。
協力/学芸大ゴルフスタジオ