ミズノのグローバルモデルである『ST 230シリーズ』に『ST-MAX 230』が加わった。クラブ設計家の松尾好員氏は「安心感と打ちやすさを兼ね備えたドライバー」だと言う。打倒外ブラを意識したST 230シリーズは、既にプロツアーで実績を上げ性能の高さを実証しているが、『ST‐MAX 230』は、「遅れてやってきた大本命!」となるのか? 松尾氏とともに検証してみることにした。

日本ブランドならではの「つかまり顔」

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドはロフト角10.5度、シャフトは「標準GM D55」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。

ヘッド形状に表れているように重心距離が長く、ヘッドの慣性モーメントも大きくなっている

ヘッドを見てみると、全体的にオーソドックスな形状で、『ST-X 230』や『ST-Z 230』のようにオープンフェースではなく、フェースの先に逃げ感もないので、日本メーカー特有のつかまり系ヘッドのイメージが湧きます。

クラブ重量は295.5グラムと「標準」ですが、クラブ長さが45.38インチと「やや長い」ため、スウィングウェイトはD2.3と「やや大きい」。このことから、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントは288万g・㎠と「やや大きく」なっています。この計測数値から推察すると、ドライバーのヘッドスピードが43〜44㎧くらいのゴルファーがタイミング良く振りやすくなっています。

実際に試打したところ、アドレスでは『ST-X 230』と比べてシャローフェースになっています。『ST-X 230』よりもひと回り大きな輪郭形状で、安心感があり、構えやすい印象を受けました。米国モデルに多く見られるような強いオープンフェースではないので、球がつかまるイメージも湧きます。         
シャフトは前作の「220シリーズ」から継続されている標準モデルで、適度なしっかり感があり、インパクトの再現性も高いものがあります。ヘッドスピードが43〜44㎧くらいのゴルファーが扱いやすそうな感じです。

顔の大きさから構えた時の安心感を与えてくれる

『ST-X 230』と同様に重心深度が浅い設計になっていますが、インパクト付近はレベルにスウィングしやすくなっています。『ST‐MAX』は高重心ヘッドなので適度なスピンが入りやすく、弾道も安定しています。結果的に「厚く強いインパクト」がしやすいドライバーと言えるでしょう。フェース中央面の反発性能は「普通」ですが、安心感と打ちやすさを兼ね備えたドライバーです。 

※週刊ゴルフダイジェスト 2024年4月2日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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