みんな仲良く、根性で! 日章学園の朝練に潜入
日章学園ゴルフ部の朝は早い。7時10分からの朝練のため、6時45分を過ぎが頃から部員たちがグラウンドに集まってくる。
そこに真っ赤な車で現れたのが、監督の菊池美幸だ。部員からは「みゆき先生」と慕われている。
部員たちは、車が通るたびに「おはようございます!」と大きな声で挨拶。「挨拶、返事、感謝」こそ、強さにつながるキモなのだ。
「会う方全員に挨拶、犬にも挨拶するように言っています(笑)」
朝練は、2007年、菊池が監督に就任したときから行っている。当初ゴルフをまったく知らなかった菊池が、自分にできることは何かを考えて始めた。
「一緒にいる時間を共有したかった。以前と変わらず週3回、一年中やっています。(卒業生の)柏原明日架がナショナルチームから持ち帰ったことを共有してくれたりして充実してきました。月曜日は静かな体幹トレーニング、水曜日は割とハードなトレーニング、金曜日はジムで行います。自主的に毎日やっている子もいますよ。とにかく続けさせて、故障のないようにしたい。体が硬い子が高1から始めても柔軟性はつきます。何より皆でやることが大事。仲間を意識することが、うちが大事にしていることなんです」
グラウンドの外から優しく見守っていたかと思えば、アーティストばりの赤い拡声器を持って気合いを入れる場面も。「赤は元気が出そうで好きなんです」と菊池。
「きついことをやっていくなかで変わっていく。根性論は否定されがちだけど、最後はそういうことも必要です。卒業後に子どもたちが思い出してみて心に残っているのはそういうところだったりしますよ」
昨年のプロテストに合格し、今春卒業の菅楓華も朝練に参加していた。
「いつも皆で刺激し合っています。ゴルフだけではなく人間性も高めてくれた3年間でした。リベンジノートはラウンド中の技術やメンタル面で良いことも悪いことも書きます。試合前などに見直すことで、自分を見つめ直せるんです」
ツアーでも活躍するプロたちを輩出してきた日章学園。なかなか勝てなかったゴルフ部を”緑の甲子園“で史上初団体戦男女アベック優勝に導いたみゆき先生の信念とは――