青木瀬令奈といえば、92年生まれの女子プロ集団「最強アズマ軍団」の一員。他には軍団長の東浩子、成田美寿々、葭葉ルミ、香妻琴乃、福田真未、堀奈津佳、福山恵梨、沖せいら、工藤遥香、イ・ミニョンなど現役で活躍する選手が多い世代。よきライバルたちの活躍が刺激になってきたことは容易に想像できるが、その中でも青木はベテランの域に入っても複数回優勝を遂げ、キャリアハイのシーズンを送っている。
その青木瀬令奈がお気に入りの一本に挙げたのはダンロップ「ゼクシオX」。23年10月の「富士通レディース」から投入すると5週後の「大王製紙エリエールレディス」でシーズン2勝目を飾ったのは記憶に新しい。「ゼクシオX」ドライバーのお気に入りポイントを聞いてみた。
「初代Xから使い続けていて、一貫した振り心地やしっかり感に操作性も高い点が気に入ってます」(青木瀬令奈、以下同)
スペックにはロフト角10.5度のヘッドをややフラットにしているとか。
「私はアップライトにするとつかまり過ぎる感じがあるので、フラットのほうがうまくつかまえられるんですよね。それでネック調整機能で標準よりロフトを0.5度寝かせ、ライを2度程度フラットにしています」
23年はシーズン中もトレーニングに足げく通いスウィングにもマイナーチェンジを加えていた。その効果でしっかりと振れるようになり、ボールもつかまえられるようになっていたからこそ、シーズン終盤に優勝を飾ることができたという。その「大王製紙エリエールレディス」でのエピソードを教えてくれた。
「終盤でバーディを取った17番パー5。みなさんには3打目を注目していただいていますが、あの3打目に持っていくためにはティーショットをフェアウェイに置くことがとても重要でした」。17番ホールはティーグランドからかなりの打ち下ろしで右サイドに池、左にはバンカーとティーショットの難易度の高いホール。
「あのティーショットの感触は今でも覚えています。打点を少し先の上目で打つ練習を重ねていました。打ち出した先にある右の池の上からドローで完璧に打てたんです。その感触のまま7UTで2打目を打ち、フェアウェイのフラットライから3打目をチャンスにつけることができたんです」
その週の17番パー5で3日間バーディを奪い続け優勝を手繰り寄せたのは、「安定してフェアウェイを捉える続けたお気に入りのドライバーがあったから」と振り返ってくれた。
今シーズンも複数回優勝を掲げる青木の24年シーズンは、開幕から予選落ちなく着実にポイントを積み重ねている。トレーニングの効果で飛距離も伸びてきたことで、これまで不得意だった総ヤーデージ数が長い大会でも上位で争う姿が見られるに違いない。