タイガー・ウッズの初代コーチとして知られるハーモンは現在年齢を理由に第一線から退き、トーナメントに帯同するのを辞め息子のクロードに教え子たちを託している。
しかしリッキー・ファウラーは「やはりブッチじゃなきゃダメだ」とハーモンの元に足を運んで指導を仰ぎ、昨年復活優勝を達成した。
マキロイはブッチについて「1つ確かなのは彼と一緒に時間を過ごすとスウィングが上達したとか、いい球が打てるようになるとかではなく、セッションの後自分に対して気分が良くなるということ。彼はある意味半分コーチで半分は心理学者なんだ」という。
4時間をともに過ごしたマキロイは「ブッチとの時間はとても楽しい。今回も心に響く言葉をいくつか貰った。(コーチの)マイケル(バロン)とやろうとしていることと完全に一致していた」。
ハーモン詣でをしたのは「自分のゴルフがどこにあるかを学ぶため。これはマスターズだけではなくその後の大会で成果を出すためのプロセスだった」と語っている。
11年のマスターズで後続をリードしメジャー初優勝は目前と思われた。ところがサンデーバック9の10番でまさかのトリプルボギー。そこからまるで坂を転がり落ちるように急降下し15位タイに終わっている。
しかし彼は直後の全米オープンでリベンジを果たしメジャー初V。14年までにメジャー4勝を挙げ、キャリアグランドスラムに王手をかけた。
それから10年、未だマキロイはグリーンジャケットに袖を通していない。もっともタイトルに近づいたのは最終日の猛チャージで単独2位に入った一昨年(スコッティ・シェフラーが優勝)。
しかし松山英樹が優勝した21年とジョン・ラームが勝った昨年はマスターズに賭ける思いが強すぎたのか空回りし予選落ちを喫している。
マキロイにとって「入れ込み過ぎないこと」が今回もテーマになる。そういった意味でもハーモンとのセッションで心の安定を得たことはプラス材料。今年彼にオーガスタの女神は微笑むのだろうか?