出発前、ワクワクが止まらい辻村コーチ
GD これから乗り継いで、オーガスタへ向かうわけですが、まずいまの心境を聞いてもいいですか？
辻村 僕はやっぱり子どものときから、オーガスタだけはどんな形であれ、絶対に現場に立ちたいという思いがすごくあって、きっかけがあったらいいなと思っていたので、こういうチャンスをいただいたのはすごくありがたいです。もちろん選手を見れる喜びっていうのもあるんだけど、テレビで見ていた想像のコースとの差を現地で埋められる喜びのほうがいまの僕は大きいです、行く前の感情としては。とはいえ正直、女子の海外選手は生で見てきましたが、男子は見ていないので。
GD こちらから打診していて、あれなんですが……。今週は富士フイルム・スタジオアリス女子があります。上田プロが初日、2日目もトップ。約10日間コーチ業ができませんが、その間の選手たちへの気持ちは？
辻村 早めに選手たちには伝えて。桃子なんかは「いい機会じゃん、いろんないいものを見てきて」みたいな感じで送り出してくれました。出発直前までは現地(石坂GC)に入って、10日後くらいまでのゴルフの組み立て方っていうのをちゃんと説明してこっちきました。10日間空いている時間っていうのも、お互いコーチと選手にとって大事なものだと思いますので。
GD 自分が不在の場合も試合はあるわけじゃないですか。
辻村 もちろん。どの選手にも10日間こういうふうにやったらいいという課題を与えてきました。逆に自分も、今回のマスターズでいろんな選手の取り組み、特にアプローチとかパッティングとかそういったものの練習の仕方を、テレビだけじゃ見えないことってあると思うので、そこを見たいというか学びたいと思っています。戦い方だけじゃなくて、朝からの準備、ショートパットの練習の仕方とか。そういったものは日本開催のZOZOチャンピオンシップで見てはいるんですが、やっぱりマスターズは違いますよね。決勝ラウンドの熱いのも試合も見たいし、どういうふうに練習に取り組んでるんだとかもみたいですね。
GD やっぱりマスターズっていうとどの選手もピークに持ってきているわけですから、練習
とかは気になりますよね。
辻村 ふだんの試合とは違うでしょうね。イメージ的にはスピンの量や「向き」をどうコントロールするかっていうのがいちばん気になりますね。オーガスタのアイアンショット、ウェッジショットの。傾斜がすごいと聞くので、どういうスピン量でボールを動かすかっていうのが特徴な気がします。とくに僕はアプローチを見たいと思っていますね。それは教え子のためにも。やっぱ向こうの選手でアプローチ下手な選手っていないと思うんですよ。
GD オーガスタ女子アマに出ている六車さんについて。調子はどうなんですか？
辻村 テストに落ちたのは、一生懸命取り組んでいるが故のプレッシャーの大きさっていうのはあったと思うんですよね。だからまあ日那乃に限っては、もう「ああだ、こうだ」って言わないように準備してきたつもりです。結果だけ見たらあれですけど、それだけで日那乃のこれまでの頑張りを評価できるわけではないですから。最近も積極的にアマチュアとしてプロの出るミニツアーとかに結構出るようになってるし、少し自分の中で自立とか、そういうところが今回のテストを終えて以降すごく身に付いてきてる気がします。
GD そのへんは今の好調にも確実につながってると。
辻村 そうですね。あとやっぱり体ちょっと強くなってきてて強い球も打てるようになってるし、テスト落ちたというネガティブなところもあるけど、今だからできることもあるから、与えられた時間っていいように解釈してますけどね。今回のオーガスタ女子アマも、最終的に順位を上げていい感じで終えてくれればいいと思うんですけど、明らかに年々力をつけてきてるから。楽しみには見ています。逆に言ったら教え子がプレーしてるオーガスタを見れる幸せもあります。マスターズの前哨戦で。そういった意味でこのスケジュールには感謝ですね。
最初僕、オーガスタ女子アマいけないと思ってたんです。それでハッパかける意味で「最終日行くから絶対残っておけよ」っていったら、「わかりました、優勝狙える位置に残っておきます」って元気よく言って。葉っぱかけて嘘でも言えたっていうのが日那乃の成長かなって思えましたね。そういうことも言えなかった子だから。そういう心の秘めたものを表に出せるようになったっていうのも成長です。
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実際、六車は2日目を終え、しっかりと予選を通過し、首位とは6打差の1オーバー・17位タイにいる。2年連続でオーガスタで決勝ラウンドを回れる教え子・六車を辻村プロがどう見るのか。明日にレポートしてもらいましょう。
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