人気と世界ランクが並行して上昇気流に乗るオーストラリアの若手、ミンウー・リーに熱視線が注がれています。
コグニザントクラシックの2日目に目にした光景は、スター街道を歩む彼の象徴的なシーンでした。打球がフェアウェイバンカーにつかまるとギャラリーが一目散にバンカーの至近距離に押し寄せ幾重もの人垣ができたのです。「彼のためだけにここに来た」とあるファンは言い、「もし彼が60台をマークしたら、あと2日ここに滞在するよ」という人も。
リーは昨年の全米オープンで5位に入り、一躍スターダムにのし上がりました。10、11月には出場5試合で、オーストラリア PGA選手権を含む2勝を挙げる最高レベルの技術を見せつけ、さらに魅力的な人物像=カリスマ性で大勢のファンを獲得。
本人は「旋風が巻き起こった」と表現します。今年のWMフェニックスオープンでは、ウェア契約を交わす「ルルレモン」が、シェフの帽子をかぶったサポーターによるゲリラマーケティングを敢行し話題になりました。
これは昨年オーストラリアPGA選手権に優勝したとき彼自身も行ったパフォーマンス。ソーシャルメディアのフォロワーが人気の指標になる今日、その数は急増しています。インスタグラムのフォロワーはおよそ46万人でPGAツアーで13番目。
過去12カ月でより多くのフォロワーを獲得したのは、23年の年間王者、ビクトール・ホブランとローリー・マキロイだけ。TikTokフォロワーの27万4000人を含めると、リーには合計80万人近いフォロワーがいます。「それはごく自然に起こったことです」
印象的な口ひげは一度伸ばして成績が良かったため験担ぎになったそうです。タイガー・ウッズのトレードマークだったモックネックのトップスを着こなすスタイリッシュなプレーヤー、それがリー。
彼は、今年カナダで開催される米国対インターナショナル選抜のプレジデンツカップ有力候補のひとりです。キャプテンのマイク・ウィアーは「プレッシャーがあるほど力を発揮するタイプ。注目され期待されることが大好き。ファン目線からしても彼はチームに必要な存在」と評価しています。パリ五輪の出場もほぼ確定したリーの今後が楽しみです。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年4月16日号より(ARRANGE/Mika Kawano、PHOTO/Getty Images)※PGAツアーはBSJapanext(BS放送)、ゴルフネットワーク(CS放送)、U-NEXT(動画配信サービス)で毎週LIVE中継が見られます