キャロウェイは『パラダイム Aiスモーク』ドライバーとともにアイアンシリーズも一新。なかでも気になるのが「HighLaunch(高打ち出し)」を意味する『HL』アイアン。キャロウェイは、虎の子AIフェースに、「ボールの上がりやすさ」の条件をインプットし、やさしくボールの上がるアイアンに仕上がっていると言います。今回は、ツアーモデルの『APEXプロ』と比較しながら、『パラダイム Aiスモーク HL(以下、HL)』アイアンの性能をクラブ設計家の松尾好員氏と検証してみました。

Aiスモークアイアンシリーズはそれぞれが特徴的

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「NSプロ ZELOS7」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。

クラブ重量が軽く、クラブ慣性モーメントが小さいので振る力に自信がないゴルファーにもおすすめ

クラブ長さは37.13インチと「標準的」ですが、クラブ重さは385.6グラムと「軽く」、スウィングウェイトがD0.4と「やや小さい」です。クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントは265万g・㎠に抑えられています。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが「41㎧」くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。

ヘッド形状を見てみると、米国ブランドのキャロウェイらしく、全体的に丸みのあるヘッドと長いフェース、広いソール、厚めのトップラインが特徴で、この4点セットで安心感を与えてくれます。

実際に試打したところ、3モデルある『パラダイム Aiスモーク』のなかでも、長いフェースとシャローフェースの組み合わせのおかげで、「やさしく球を上げやすい」イメージが出ています。試打シャフトはスチールながらも軟らかい設定なので、ヘッドスピードが37〜38㎧くらいのゴルファーでも十分扱えそうです。

グリップにも特徴があり、太さが女性用クラブ並みに非常に細くなっています。『パラダイム Aiスモーク』のなかでは、フェースのトウ側の高さが低く抑えられているので、アドレスではライ角が数値よりもフラットに感じます。

フェース面には軟鉄よりも硬いステンレスが採用され、打感は硬く、インパクト音は高く、フェース面の弾き感が良かったです。フェースの長さと重心距離が長いことからネック軸回りの慣性モーメントがやや大きいため、ダウンスウィングでヘッドが返りづらく球をつかまえ過ぎることもありませんでした。

米国ブランドらしくソール面に5.6度と「やや大きめ」のバウンス角が付いているおかげで、ダウンブロースウィングでターフが取れるようなスウィングでもソールの抜けが良く、気持ち良く振り抜けました。

バウンスが5.6度ついていることでダウンブローで入ったときの振り抜きで爽快感がある

この『Aiスモーク』の3モデルは構えたときに受ける印象がそれぞれで違いました。実際に3種類を試打して自分が思い描く弾道と合うものを選ぶといいでしょう。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年4月23日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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