歴史を意識しながらタイガー・ウッズのマスターズがスタートした。昨年は足底筋膜症のため予選を突破しながら完走できなかった。しかしフレッド・カプルス、ゲーリー・プレーヤーと並ぶ23回連続予選通過記録を達成、今回その記録を更新させるべく初日に挑んだ。「あちこち痛くて」昨年語っていた1カ月に1度試合に出る目標は頓挫したものの、今週は強いタイガー復活の雰囲気がある。19年に続き果たして6度目のマスターズ制覇はあるのだろうか?

前夜の嵐でスタートが2時間半遅れた第1ラウンド。昼前から雨は収まったが強烈な風が吹くなかタイガーはジェイソン・デイ、マックス・ホーマとともに午後3時54分にティーオフした。

1番パー4では2.5メートルを沈めてバーディと幸先の良いスタート。パトロンの大歓声がコースにこだまする。スタートホールでバーディを奪ったのは99年以来、実に25年ぶりのこと。4番はボギーとしたものの8番パー5できっちりバーディを奪い、1アンダー35でフロント9を折り返した。

この日は持ち前のショートゲームが冴え、難しい10番は巧みなアプローチでパーをセーブ。夕暮れが迫るなか150ヤードの12番パー3では7番アイアンでグリーンをオーバーさせたが絶妙なバンプ&ランでピンチをパーセーブした。13番パー5でのバーディはならなかったが安定感のある内容で明日以降に望みを繋いだ。

画像: 12番Hでみせた絶妙なアプローチ(撮影/Blue Sky Photos)

12番Hでみせた絶妙なアプローチ(撮影/Blue Sky Photos)

「風が吹いてこれまでに経験したマスターズのなかでも、もっともトリッキーはラウンドの1つだった。どの方向から吹いてくるのか一定ではないし強弱もある。グリーン上でもかなり風の影響を受けた」と難しいコンディションに耐えた1日を振り返る。

暫定トップのブライソン・デシャンボー(7アンダー)やこのところ絶好調の世界ナンバー1、スコッティ・シェフラー(6アンダー暫定2位)は比較的風が弱い時間帯にプレーしており、風のせいでグリーンが乾いて速さを増し、台風並みに樹々が揺れた午後スタートのタイガーには不利な条件が揃っていた。

「でも13番まで回れて良かった。明日の朝残りのホールを回っていい流れを作り、それを第2ラウンドに繋げたい」

プレーに関しては問題なさそうだが体調は? 「それは大丈夫」ときっぱり。

「すべて上手くいけばもう1つ(6つ目のタイトルを)獲れると思っている」と大会前から好調ぶりを伺わせたタイガー。

地元オーガスタの街の人々やタクシーの運転手は口々に「タイガーがいるマスターズといないマスターズは段違い。今年は街全体が賑わっている」と語っていた。

初日に勝つことはできないが負けることはできる。タイガーは初日に負けなかった。レジェンド、ジャック・ニクラスのマスターズ最多6勝に肩を並べることはできるのか? 少なくても現時点でゴルフファンの期待は膨らんでいる。

PHOTO/Blue Sky Photos

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画像: www.golfdigest-minna.jp
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