女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第38話、節目の10勝、モチベーションが続く限りプロ生活頑張ります。
画像: 優勝したヤマハレディースの試合後(翌週)、仲良しの竹田麗央と今年初のプロ野球観戦にベルーナドームへ。竹田麗央はその一週間後、KKT杯バンテリンでツアー初優勝。オンとオフの切り替えも大事

優勝したヤマハレディースの試合後(翌週)、仲良しの竹田麗央と今年初のプロ野球観戦にベルーナドームへ。竹田麗央はその一週間後、KKT杯バンテリンでツアー初優勝。オンとオフの切り替えも大事

小祝さくらは、3月末のヤマハレディースオープン葛城でプロ10勝目を挙げた。「プロになって1勝できるイメージもなかったんですけど、2桁も優勝することができて……プロになってから月日が経つのは早かったですね。今はもう中堅と言われていますけど、20代半ばで10勝を挙げられて、予想をはるかに超えていると思います」

1998年度生まれの、いわゆる〝黄金世代〟の女子プロには、畑岡奈紗、勝みなみら、現在アメリカで活躍する選手も多いが、小祝が最初に日本ツアーで10勝に到達した。「強い子が多かったので、自分はプロテストも受かる気があまりしなくて、よくここまで来られたなと思います」

画像: 10勝目は総合力が試される難コース、葛城GCで挙げた。「風や花粉の影響があったので、すっごく頭を使うゴルフでした」

10勝目は総合力が試される難コース、葛城GCで挙げた。「風や花粉の影響があったので、すっごく頭を使うゴルフでした」

小祝さくらがゴルフを始めたのは小学校3年生のとき。「最初の頃はジュニアスクールに入って、1回が1時間半のレッスンだったと思うんですけど、週2回しかかやってなかったんです。プロを目指す気もなかったですし、最初の1年くらいはは、他の日に練習に行くなんていうこともなくて……中学くらいまではときどきゴルフをやめたいと思うこともあったんですよ。だから、練習をサボったりしている時期もありました」

しかし、最初のスクールで覚えた〝振り幅〟の感覚は、今もずっと同じだという。「スウィングを時計で考えて、9時ー3時とか、8時ー4時とか、11時ー1時とか。けっこう練習しましたね」。こうして全国大会に出始めるようになり、意識も変わったという。

「今までで一番練習したのはプロテストの前。1日1000球以上打ち込んでいました。『もう打ち込むしかない!』って、とにかく練習に励みましたね。目標が〝プロテスト合格〟と明確でしたから、時間も全部、そのために費やす感じでした」。やるときはやるのが小祝さくらという人間だ。

画像: プロ野球観戦に行った、この日のお目当ては応援する地元の日ハムではなく“推し”の山崎颯一郎。「めっちゃカッコイイ。でもかわいらしさもあって……」。メリハリをつけられることも強さの秘密!?(コラントッテ公式Instagramより)

プロ野球観戦に行った、この日のお目当ては応援する地元の日ハムではなく“推し”の山崎颯一郎。「めっちゃカッコイイ。でもかわいらしさもあって……」。メリハリをつけられることも強さの秘密!?(コラントッテ公式Instagramより)

桜前線が地元北海道に到達する前、4月15日に小祝さくらは26歳を迎えた。節目の10勝を迎え、プロ生活を何歳まで続けるイメージがあるかと問われ、「30歳までやっているかどうかというイメージです。若い選手がどんどん出てきて、体力的に苛酷だなと毎年思います。あと何年できるかわからないですが、自分のモチベーションが続くまでやりたいです」と答えたさくら。

しかし、こうも話す。「今年も出られる試合は全部出たい。体のケアはもちろんしていますけど、今のところケガもないので、体が元気なうちは、試合に出られることに感謝してやっていきたいです」。なるべく長い間、勝利を積み重ねていくさくらの姿を応援していきたい。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年4月30日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

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