2016年からグローブライドは”やさしさ”と”飛距離”にフォーカスした「AKA」シリーズを展開しています。2024年、6代目となる『オノフ アイアン AKA』を2年振りにモデルチェンジしました。今回のモデルチェンジでどこが変わったのか? クラブ設計家の松尾好員氏は、「継承されている部分と進化した部分がある」と分析。松尾氏が計測した実測値ヘッドデータを基に『AKA』アイアンを検証してみた。

『KURO』にはない安心感

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S.PRO 950GH neo」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。

リアルロフト角が28.2度のストロング設定は前作からも引き継がれている。フェースプログレッションがグースネックに設定されていることで、アドレスで球をやさしく包み込んでくれるイメージが湧く

クラブ重量は軽量スチールシャフトが装着されていながら411.8グラムと「標準」的ですが、クラブ長さが37.38インチと「やや長く」、スウィングウェイトがD2.4と「やや大きく」なっています。クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントは274万g・㎠と「大きく」、計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが46〜47㎧くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。

ヘッド形状を見てみると、オノフの『AKA』らしく、非常に長いフェースと大きなヘッド、打面が大きく見える長いスコアラインが特徴的です。プロモデルの『KURO』とは異なる安心感が伝わってきます。アドレスでは丸みのあるトップラインとグースネック、アップライトなライ角設定で球をつかまえるイメージが出ています。

試打シャフトの軽量スチールは適度なコシがあり、ヘッドスピードが40〜43㎧くらいのゴルファーでも十分扱えそうです。ロフト角が28.2度設定の超ストロングロフトのアイアンですが、他の一般的なモデルと比べて、フェースのトウ側が高いので、そこまでロフトが立っているように感じませんでした。アドレスでは球をややフェースのトウ寄りで構えやすく、包み込むような安心感がありました。

長いフェースと大きなヘッドからアドレスで安心感を与えてくれる。スコアラインが白く強調されていることも特徴の一つだ

フェース面は軟鉄よりも硬いマレージング鋼なので打感は硬く、インパクトはボールを弾く感覚がありました。ソール面のバウンス角が1.4度と「小さい」ので、ダウンブローで上から打ち込むスウィングよりも、横から払うスウィングをするゴルファーと相性がいいでしょう。

フェースの長さと重心距離が「非常に長い」設計から、ヘッドのネック軸回りの慣性モーメントが「大きく」なっています。よってダウンスウィングでのヘッドの返りが遅くなっていますが、アップライトなライ角とグースネック、そしてシャフトの組み合わせから、ストレート系の弾道が打ちやすくなっています。フェースが長く、打面が大きいほうが安心感を得られ、払い打ちのスウィングをするゴルファーにいいでしょう。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年4月30日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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