女子プロの低ロフト化がさらに加速
女子ツアーで戦う43人の選手たちが使うドライバーをリサーチすると、中には8.5度を使う猛者がいるほど低ロフト化が加速していた。実際に8.5度を使用している菅沼菜々に話を聞いてみた。「私はスウィングの軌道がアッパー軌道なのでロフトが多いとスピンが増えてしまい飛距離ロスになってしまうんです。なので8.5度と立ったモデルを使っているんです」。
続けて菅沼はヘッドへのこだわりを話す。
「私の持ち球はフェードなのでつかまりすぎる組み合わせがゼッタイに嫌なんです。『ゼクシオ エックス』だと、地面にソールしたときにフェースがかぶってもいないし、開いてもいない。それなのに、打つと球がしっかりつかまってくれるので、このモデルがいいです。対して、シャフトは手元調子で、球が左に行きにくい。こういう組み合わせが好みです」。
ふむふむ、僕らも女子プロのセッティングから盗めることがありそうだ!
女子プロ43選手のドライバースペックを一挙紹介!
2024年優勝者からご紹介!
臼井 麗香
初優勝を決めた黄金セッティング
アクサレディス in Miyazaki優勝
ヘッド:キャロウェイ「PARADYM Ai SMOKE♦♦♦」
シャフト:三菱ケミカル「ディアマナ DF」
ロフト:10.5度
フレックス:5SR
長さ:45.25インチ
岩井 千怜
真っすぐ飛ぶドライバーで開幕V
ダイキンオーキッドレディス優勝
ヘッド:ヨネックス「EZONE GT」
シャフト:ヨネックス「REXIS KAIZA-L」
ロフト:9度
フレックス:5S
長さ:45.75インチ
小祝 さくら
通算10勝目を決めたドライバー
ヤマハレディースオープン葛城優勝
ヘッド:ダンロップ「スリクソン ZX7 MkⅡ」
シャフト:三菱ケミカル「テンセイ プロ ホワイト 1K」
ロフト:9度
フレックス:5S
長さ:45インチ
鈴木 愛
2週連続Vに貢献したPINGの組み合わせ
明治安田レディス ヨコハマタイヤ、Vポイント × ENEOS優勝
ヘッド:ピンゴルフ「G430 LST」
シャフトピンゴルフ「ALTA J CB」
ロフト:10.5度
フレックス:5S
長さ:45.5インチ
阿部 未悠
顔よし打感よし風に強いコンビ
富士フイルム・スタジオアリス女子優勝
ヘッド:ブリヂストン 「B3 MAX」
シャフト:フジクラ「SPEEDER NX グリーン」
ロフト:9.5度
フレックス:5S
長さ:45インチ
竹田 麗央
ワールドクラスの飛距離を生み出す
KKT杯バンテリンレディス優勝
ヘッド:ダンロップ「スリクソン ZX7 MkⅡ LSプロト」
シャフト:グラファイトデザイン「ツアーAD UB」
ロフト:8.5度
フレックス:5X
長さ:45.25インチ
テーラーメイド使用プロ(11名)
新垣 比菜 強く飛ばせるモデル&スペック
ヘッド「Qi10 LS(10.5度)」、シャフト「24 VENTUS BLUE(5S・45インチ)」
穴井 詩 スピンを抑えNo.1の飛び
ヘッド「Qi10 LS(9度)」、シャフト「24 VENTUS BLUE(5S・45.25インチ)」
岡山 絵里 心地よい打音のカーボンフェース
ヘッド「Qi10 (9度)」、シャフト「テンセイ プロ ブルー 1K(5S・45.75インチ)」
川﨑 春花 高弾道ヘッドでキャリーを稼ぐ
ヘッド「SIM グローレ(10.5度)」、シャフト「イミドアンドサンズ プロトタイプ(5S・45.5インチ)」
全美貞 最新を取り入れたベテランの英知
ヘッド「Qi10 LS(9度)」、シャフト「ツアーAD VF(5S・45.5インチ)」
高橋 彩華 スピンを抑えつつ先中調子で飛ばす
ヘッド「Qi10 LS(9度)」、シャフト「SPEEDER NX ブラック(5S・45インチ)」
永峰 咲季 芯を外しても飛距離ロスが少ない
ヘッド「Qi10 MAX(10.5度)」、シャフト「SPEEDER NX グリーン(5S・45.25インチ)」
野澤 真央 ロングヒッターが手放さないコンビ
ヘッド「Qi10(9度)」、シャフト「SPEEDER NX ブラック(5S・45インチ)」
山内 日菜子 クラブの力を活かして飛ばせる
ヘッド「Qi10 MAX(10.5度)」、シャフト「SPEEDER NX グリーン(5R・45.25インチ)」
山路 晶 タイガーと同じヘッドとシャフト
ヘッド「Qi10 LS(10.5度)」、シャフト「ツアーAD VF(6S・45.5インチ)」
脇元 華 低スピン&高弾道を狙ったヘッド選び
ヘッド「Qi10 LS(10.5度)」、シャフト「SPEEDER NX グリーン(5S・45.5インチ)」
キャロウェイ使用プロ(8名)
上田 桃子 ライナードローで安定キャリー
ヘッド「PARADYM Ai SMOKE♦♦♦(10.5度)」、シャフト「ツアーAD CQ(6SR・45インチ)」
河本 結 曲がらないヘッドで飛距離がUP
ヘッド「PARADYM Ai SMOKE♦♦♦MAX(9度)」、シャフト「SPEEDER NX グリーン(5SR・45.5インチ)」
木村 彩子 風が強くても安心な強弾道モデル
ヘッド「PARADYM Ai SMOKE♦♦♦MAX(9度)」、シャフト「SPEEDER NX ブラック(5SR・45.5インチ)」
西郷 真央 信頼できるギアで米女子ツアーへ
ヘッド「PARADYM Ai SMOKE♦♦♦(10.5度)」、シャフト「The ATTAS V2(5S・45インチ)」
原 英莉花 持ち球のフェードで安定キャリー
ヘッド「PARADYM Ai SMOKE♦♦♦MAX(9度)」、シャフト「LIN‐Q(5S・45.75インチ)」
堀 琴音 最新ではなく最適を追求した
ヘッド「ローグST♦♦♦(10.5度)」、シャフト「ツアーAD HD(5S・45.75インチ)」
吉本 ひかる ロフトの上がりやすさでティーショットが安定
ヘッド「PARADYM Ai SMOKE♦♦♦(10.5度)」シャフト「The ATTAS V2(5R・45.5インチ)」
リ・ハナ FWキープに繋がる的確なドライバー運び
ヘッド「PARADYM ♦♦♦S(9度)」、シャフト「LIN‐Q(5S・45.75インチ)」
タイトリスト使用プロ(1名)
菊池 絵理香 軽量ヘッドで効率的に飛ばす
ヘッド「TSR1(9度)」、シャフト「SPEEDER NX グリーン(5SR・45インチ)」
ピン使用プロ(4名)
大里 桃子 当たり負けないヘッドで叩ける
ヘッド「G430 MAX(9度)」、シャフト「ディアマナ WS(6S・45.75インチ)」
佐久間 朱莉 ブレないヘッドでFWをとらえる
ヘッド「G430 MAX 10K(9度)」、シャフト「N.S.PRO REGIO FORMULA MB+(5SR・45インチ)」
蛭田 みな美 悲願の初Vを手繰り寄せた組み合わせ
ヘッド「G430 MAX(9度)」、シャフト「テンセイ プロ ホワイト 1K(5S・45.25インチ)」
藤田 さいき 寛容性の高いヘッドでトップレベルの飛び
ヘッド「G430 MAX(9度)」、シャフト「N.S.PRO REGIO FORMULA MB+(5S・45.25インチ)」
ダンロップ使用プロ(7名)
尾関 彩美悠 ブレない弾道で狙い撃ち!
ヘッド「スリクソン ZX5 MkⅡ(8.5度)」、シャフト「テンセイ プロ ブルー 1K(5S・45.5インチ)」
櫻井 心那 男子顔負けのパワーフェードを生む
ヘッド「スリクソン ZX5 MkⅡ LS(8.5度)」、シャフト「ディアマナ GT(6S・45.25インチ)」
仁井 優香 低スピンヘッドで初優勝を狙う
ヘッド「スリクソン ZX5 MkⅡ LS(9.5度)」、シャフト「SPEEDER NX ブラック(5S・45インチ)」
安田 祐香 つかまり系シャフトで持ち前のドロー
ヘッド「スリクソン ZX5 MkⅡ(10.5度)」、シャフト「ATTAS KING(5S・45.5インチ)」
山下 美夢有 FWをキャッチするドンピシャなドライバー
ヘッド「スリクソン ZX5 MkⅡ(8.5度)」、シャフト「SPEEDER NX グリーン(5SR・45インチ)」
菅沼 菜々 フェードで強気に攻める
ヘッド「ゼクシオ エックス(8.5度)」、シャフト「テンセイ プロ ホワイト 1K(5S・45インチ)」
青木 瀬令奈 REDのしなりを活かして飛距離UP
ヘッド「ゼクシオ エックス(10.5度)」、シャフト「VENTUS RED(5R・45.5インチ)」
ブリヂストン使用プロ(2名)
桑木 志帆 低スピンのヘッドと曲がらないシャフト
ヘッド「B-LIMITED B1LS(9度)」、シャフト「The ATTAS V2(5SR・45インチ)」
佐藤 心結 つかまりすぎないヘッド&シャフト
ヘッド「B1 ST(9.5度)」、シャフト「ツアーAD UB(5S・45インチ)」
ヨネックス使用プロ(1名)
岩井 明愛 豪快スウィングに合う組み合わせ
ヘッド「EZONE GT(9度)」、シャフト「REXIS KAIZA-M(5S・45.75インチ)」
ヤマハ使用プロ(1名)
神谷 そら ロングヒッターが思い切って叩ける
ヘッド「RMX VD/M(10.5度)」、シャフト「ツアーAD DI(5X・45.25インチ)」
本間ゴルフ使用プロ(1名)
金澤 志奈 スピンを抑えて飛ばすプロトタイプ
ヘッド「TW767 プロト(9.5度)」、シャフト「ディアマナ BF(5SR・45.5インチ)」
プロギア使用プロ(1名)
森田 遥 つかまりセーブ 振りにいけるシャフト
ヘッド「RS(9.5度)」、シャフト「ディアマナ WS(5X・45インチ)」
取材してわかった ロフト9度でシャフト5Sの時代!
【DATA1】 ロフト
【DATA2】 シャフトスペック
「大慣性モーメントヘッドが主流になって先調子が減りましたね」
クラブデザイナー松吉宗之氏の見解
最近はMOIが大きくなったことで、ヘッドが急に返ることを嫌うプロが増えてきました。昔と違って、先調子のシャフトは減りつつあります。
女子プロは意外と“カチャカチャ”使いが多かった!
ネックのスリーブを回して、スペックをいじっている女子プロが思いのほか増えていた。神谷はロフトを−1度、野澤はロフトを+1.5度にしている。
===
この結果からドライバーのヘッドとシャフトの組み合わせや、FW&UT、アイアン&ウェッジといったセッティングの提案を月刊ゴルフダイジェストでは掲載している。詳細は2024年6月号の「月刊ゴルフダイジェスト」かMyゴルフダイジェストでチェック!
撮影/岡沢裕行、有原裕晶
取材・文/新井田聡
※2024年6月号「月刊ゴルフダイジェスト」から一部抜粋
※2024年4月19日12時45分、17時59分、一部加筆修正しました。