練習場でどんな練習をしていますか? 多くの人が「各番手のショットとアプローチショット」と答えるのではないだろうか。臼井麗香、藤田さいき、永嶋花音を指導しているティーチングプロ・大本研太郎氏は、「皆さん、上達したいならハーフショットの練習で十分です」と言い切る。

「ハーフショットを否定するプロはいません。上達したいならハーフショットの練習で十分です」

そう言い切るのは、スウィング理論に詳しい大本研太郎プロだ。アマチュアはフルショットの練習しかしない。なぜなのか?

画像: 臼井麗香の試合前練習。FWを握ってもフルスウィングせずにコントールショットを繰り返していた。「コントロールショットは8割や6割など無数の力感があります。いきなり7割で打つのは難しいですが、半分なら簡単です。ハーフショットがコントロールの基準です」(大本)

臼井麗香の試合前練習。FWを握ってもフルスウィングせずにコントールショットを繰り返していた。「コントロールショットは8割や6割など無数の力感があります。いきなり7割で打つのは難しいですが、半分なら簡単です。ハーフショットがコントロールの基準です」(大本)

「もっと飛ばしたい、ナイスショットしたいなどが主な理由です。ゴルフの練習というよりストレス解消に近いんです。永久シードの片山晋呉プロは、今でもハーフショットの練習ばかりしています。それだけ重要だからです。ゴルフは、野球のピッチングと同じで“コントロール”が大事になります」

「言い換えれば、ゴルフはすべてコントロールショットしかないんです。ドライバーもパターもすべてコントロールです。その最初の一歩がハーフショットなんです。半分の距離を打つ、振り幅を半分にして打つ、このハーフショットが、上達の大きなヒントになります」

画像: 大本研太郎プロ。2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。恵比寿にあるスタジオ「GPC恵比寿」を主宰。スウィング理論だけでなく、マネジメントやメンタル、フィジカルにも精通する理論派プロ。現在、女子プロの東浩子、藤田さいき、臼井麗香、永嶋花音を指導

大本研太郎プロ。2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。恵比寿にあるスタジオ「GPC恵比寿」を主宰。スウィング理論だけでなく、マネジメントやメンタル、フィジカルにも精通する理論派プロ。現在、女子プロの東浩子、藤田さいき、臼井麗香、永嶋花音を指導

そんな簡単なこと今さらしなくても……そう思うアマチュアはいるかもしれないが、大本プロは、「7Iで半分の距離を打ってといってもほとんどのアマチュアは100Y以上打ってしまいます。ここが大きな問題です。半分の距離が打てないということは、距離をコントロールできないのと同じです。ですが、ハーフショットを続けていけば、距離の打ち分けもできますし、それ以上にさまざまなメリットが得られます。やらないのは損ですよ」。

大本プロはハーフショットの大前提を“半分の距離”と定義する。では、具体的にハーフショットは、どう打てばいいのか?

「まずは、スウィングと意識の相関関係を説明します。スウィングの大きさ・速度は、意識と反比例します。この意識とは、練習に欠かせないものです。たとえば軸をブラさない、力みをなくすといった課題を意識することです。この意識は10割のフルショットでは、ほとんど機能しません。マン振りをすると球がどこに飛んだか、軌道はどうだったか、わかりませんよね。逆にスウィングが小さくなると意識できることは増えます。ハーフショットは半分ですからその分、余裕が生まれます。その余裕が意識に回せて、さまざまな気づきを与えてくれるのです」

アマチュアはスライスや引っかけのミスはわかるが、その原因をよく理解していない。だが、ハーフショットを続けていくと、そういったズレに気づけるようになる。フェースが開いた、軸が流れたなどがわかれば、次のショットで修正できる。これが練習効率の向上に直結するのだ。

画像: 振り幅を心臓の高さにして、半分の距離を打つ。「練習では10割のフルショットは必要ないので8割のショットを基準にすると、その半分は4割です。肩の高さより少し低い、心臓の高さをイメージしましょう」

振り幅を心臓の高さにして、半分の距離を打つ。「練習では10割のフルショットは必要ないので8割のショットを基準にすると、その半分は4割です。肩の高さより少し低い、心臓の高さをイメージしましょう」

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大本プロが提唱する“半分の距離”を打つ練習方法は、週刊ゴルフダイジェストの2024年5月7日&14日合併号で詳しく述べています。週刊誌か、Myゴルフダイジェストをチェック!

Myゴルフダイジェストでの記事はこちらをクリック

※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月7&14日合併号「レベルアップの必須科目」より
TEXT/Kenji Oba、PHOTO/Tadashi Anezaki、THANKS/GPC恵比寿

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