女子プロの小祝さくら、高木萌衣、イ・ボミ、男子プロの片山晋呉、谷原秀人などを教えてきた、吉田直樹コーチが、今、ぶっ飛びゴルファーを教えている。現在、ハワイ大学に在学中でトーナメントプロを目指す大石敦也選手。ヘッドスピードは脅威の60m/sで、飛距離だけならPGAツアーの選手をしのぐ。「大石選手は地面反力の使い方が上手いんです。飛距離アップのポイントがたくさんありますよ」と吉田直樹コーチ。
画像: 吉田直樹コーチ(右)。兵庫県出身。幼少期をアメリカで過ごし有名コーチの指導を受け、最先端レッスンを学ぶ。兵庫県・芦屋で室内練習場「ラ・キンタ」主宰。大石敦也さん(左)。2001年生まれ。広島県出身。182センチ。ハワイ大学に在学中で、帰国時に吉田直樹の指導を受け、ツアープロを目指す

吉田直樹コーチ(右)。兵庫県出身。幼少期をアメリカで過ごし有名コーチの指導を受け、最先端レッスンを学ぶ。兵庫県・芦屋で室内練習場「ラ・キンタ」主宰。大石敦也さん(左)。2001年生まれ。広島県出身。182センチ。ハワイ大学に在学中で、帰国時に吉田直樹の指導を受け、ツアープロを目指す

GD とてつもない飛距離を出す大石選手ですが、スウィングのどこを参考にすると、我々のような一般ゴルファーが飛距離アップできるんでしょうか。

吉田 いま、PGAツアーの若い選手を中心に、体の上下の動きを使って飛ばす選手がどんどん増えています。ハワイでゴルフの腕を磨く大石選手もそうで、左右に体重移動したり、体を回転させるヨコの動きではなく、タテの動きを上手く使っているんです。タテの動きは、誰もが速く、強く動けるんですよ。

画像: 素振り棒をタテに振り下ろすか、ヨコに振り回すかで、地面反力を使うコツがつかめる。「やってみればタテのスピードがはるかに速いとわかると思います」(吉田)

素振り棒をタテに振り下ろすか、ヨコに振り回すかで、地面反力を使うコツがつかめる。「やってみればタテのスピードがはるかに速いとわかると思います」(吉田)

GD タテの動きって、誰でも速く動けるんですか!?

吉田 そのゴルファーの最速を出すなら、タテの動きを取り入れることが絶対に必要です。

小さく、強く、早くスクワットする感覚

吉田 切り返した瞬間、左足を踏みますね。

GD タテの動きですね。

画像: 「大石選手のスウィングで真似してほしいポイントは、切り返しからの左足の踏み込みです。ゆっくりじわっと踏み込むのではなく、体の重心を下げるように素早く踏み込みます。その後はスクワットの感覚で曲がった左ひざを伸ばします。ちょうどスクワットの感覚です」(吉田)

「大石選手のスウィングで真似してほしいポイントは、切り返しからの左足の踏み込みです。ゆっくりじわっと踏み込むのではなく、体の重心を下げるように素早く踏み込みます。その後はスクワットの感覚で曲がった左ひざを伸ばします。ちょうどスクワットの感覚です」(吉田)

吉田 次に左足を伸ばします。

GD 踏んで、伸ばす……。

吉田 切り返しで踏んで、ダウンスウィングの後半で伸ばすわけですから、「踏む」「伸ばす」というより、体の重心を上下させるように小さくスクワットする感覚に近いですね。このスクワットの動きで地面反力が発生して、クラブが急加速。右サイドでシャフトをしならせる感覚が生まれます。

GD スクワットですか!

吉田 小さく、強く、速くですから、「地面を蹴る」と言ったり、「右サイドでシャフトをしならせる感覚」と表現するプロもいます。短い素振り棒などを振ると、感覚をつかめますよ。

画像: 「インパクトでおじぎするように体の前傾角が深くなっています。頭が下がり、お尻が後ろに出るのが飛ばしの体勢です」

「インパクトでおじぎするように体の前傾角が深くなっています。頭が下がり、お尻が後ろに出るのが飛ばしの体勢です」

頭が下がって腰が開くインパクト

吉田 タテの動きをスウィングに取り入れて飛ばす大石選手の特徴がもっとも表れているのが、このインパクトです。

GD 頭が下がっていますね。

吉田 飛ばす選手は必ずこうなります。体の前傾角を保つというか、お尻を突き出して、むしろ前傾角が深くなっています。頭が下がり、お尻が後ろに出るのが、飛ばすプレーヤーの特徴です。切り返しからスクワットするタテの動きをマスターすると、飛ばしに有利なこのインパクトに、少しずつ近づいていけます。

GD なぜ前傾角が深くなる?

吉田 左足を強く踏んで、強い地面反力を受けると、その力が回転に変わって、左腰が開いて後ろに引けていくからです。

GD 腰が前に出て。体が起き上がる我々のような一般ゴルファーとは真逆の動きですね。

吉田 でも、大丈夫。タテの動きを覚えていくと、少しずつコツがつかめてきます。

GD 大石選手自身はどういう感覚で振っているんですか?

大石 シンプルに「踏んで、上がる」をやっています。体を回そうとか、体重移動しようとか、そういう意識はまったくありません。タテの動きを使って、速く強く振ることは得意なので、この飛距離を生かして、より遠くに、より正確に飛ばすスウィングを研究しています。

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頭が下がってもなぜダフらないのか? その疑問に対するわかりやすい説明を週刊ゴルフダイジェストの2024年5月7&14日合併号で吉田直樹コーチが述べている。週刊誌か、Myゴルフダイジェストをチェック!

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PHOTO/Yasuo Masuda、THANKS/フェニックスゴルフアカデミー

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