動画で確認
9.5度と10.5度を試打検証
今回、試打をする『B3 MAX』は、ヘッドのカーボンモノコック構造の進化によって生まれた約40グラムの余剰重量を、最適箇所に配置することで許容性を向上。40グラムの余剰重量の配置はロフト9.5度とロフト10.5度では違いがあり、9.5度はヘッド後方とヒール側にステンレスウェイトを搭載、10.5度はヘッド後方部に比重の重いタングステンを入れている。今回の試打では、この9.5度と10.5度のウェイトの重量配分の違いによって、クラブの性質にどのような違いが出てくるのかをメインに検証している。シャフトは9.5度、10.5度ともにメーカー純正「VANQUISH BS40 for MAX」でフレックスSを装着している。
まず10.5度を構えた癸生川プロの見た目の印象は、「構えたときにライ角がちょっとフラットっぽく感じます。形は“げんこつ型”とはいわないけれど、少しディープフェースに感じるかな。それでフェース面は少し左を向いてつかまりやすそうに見えます」というものだ。
純正シャフトの適正スピード帯を探るため、癸生川プロのノーマルのヘッドスピード(46~48m/s)から徐々に落として打っていく。どのスピード帯でも癸生川プロからは「シャフトがブニョ~ンといったね。シャフトが凄く動く」というコメントだった。そして、HS40m/s前後くらいにスピードを下げて打つことに。
『B3 MAX(10.5度)』のHS40m/s前後のデータ
<トラックマン4のデータ>
クラブスピード/41.0m/s
ボール初速/60.4m/s
打ち出し角/14.4度
スピン量/2724rpm
降下角/40.8度
キャリー/208.5ヤード
飛距離/227.3ヤード
打ち出し方向/2.0度左
スピンアクシス/5.6度左
SIDE/17.5ヤード左
小島プロから、「『10.5度』のヘッドは直進性の良さがコンセプトに挙げられているのですが、打ってみて、それを感じましたか」と、問われた癸生川プロは「左に飛び出して、そこからの強い左への曲がりは感じとしてはない。その意味での直進性というのは感じますね」と感想を口にする。小島プロもそれには同意だ。「仰る通り、フェースの真ん中に当たっていますから、(スピンの影響による)左から左への弾道ではないと思います」と、フェース面の向きに対して真っ直ぐに飛ぶ直進性の高さを認めた。
ヘッドスピードとシャフトのしなりの“適正なマッチング”を得るために、さらに38m/sで打ってみるが、「それでもまだちょっと動くかな」という癸生川プロの意見を入れて36m/sまで落とすことに。
『B3 MAX(10.5度)』のHS36m/s前後のデータ
<トラックマン4のデータ>
クラブスピード/36.3m/s
ボール初速/53.8m/s
打ち出し角/14.6度
スピン量/2528rpm
降下角/37.1度
キャリー/171.4ヤード
飛距離/192.2ヤード
打ち出し方向/3.5度右
スピンアクシス/9.3度左
SIDE/1.7ヤード右
癸生川プロは「これくらい(36m/s)なら異様なしなりや動きがないから、コントロールが効いて、シャフトのしなりと合ってくるようなスピード帯かなと思う」とコメント。
ロフト角9.5度を試打
次に、9.5度をクラブスピード36m/s前後で打ってみた。ところが、構えたときのロフト角が立っていることと、重心位置の違いから、自然とクラブスピードが上がってしまい、HS42m/s前後に。それでも「シャフトは一緒なんだけど、しなり方が違う気がする。10.5度のときほどのしなりはないかな。本当に同じシャフト?」と癸生川プロは驚きを隠せない。小島プロも「クラブスピード以外もデータ的には10.5度との違いが出たので、まずはこの数値を見ていきましょう」と解説を始める。
『B3 MAX(9.5度)』のHS42m/s前後のデータ
<トラックマン4のデータ>
クラブスピード/41.7m/s
ボール初速/61.7m/s
打ち出し角/11.7度
スピン量/2715rpm
降下角/33.5度
キャリー/203.5ヤード
飛距離/228.3ヤード
打ち出し方向/2.5度右
スピンアクシス/13.7度左
SIDE/111.2ヤード左
続いて、9.5度でヘッドスピード40m/s前後で打ってみる。
『B3 MAX(9.5度)』のHS40m/s前後のデータ
<トラックマン4のデータ>
クラブスピード/39.9m/s
ボール初速/58.5m/s
打ち出し角/14.1度
スピン量/2301rpm
降下角/37.5度
キャリー/184.6ヤード
飛距離/205.5ヤード
打ち出し方向/5.0度右
スピンアクシス/6.2度左
SIDE/8.2ヤード右
試打をした癸生川プロは、「これくらいのヘッドスピードが、9.5度には合うような気がするな」との印象。小島プロも「確かに。今の9.5度も、先ほどの10.5度も、この純正シャフトでは、どちらかと言うと、スピード帯としては速くないほうが良いんじゃないかなという印象です」と同意見だ。
ブリヂストン『B3 MAX』ドライバーのロフト角10.5度と9.5度の打ち比べをした結果、感じたクラブの特性に関して、二人で話し合った。
癸生川 本来、同じモデルのロフト角違いというのは、基本的にロフト角だけが違うのが普通なのに、この『B3』は内部ウェイトの位置を変えているわけで、「この2つは違うクラブです」と言っていいくらいの違いがある。
小島 単純に、9.5度と10.5度で球の高さの違いだけで選ぶというのは違うということですよね。
癸生川 そう。そこは試打してみて、自分に合う弾道とかを見極めて判断するべきかなと思いますね。
小島 例えば、どっちのほうが球を操作しやすいっていうのはありますか。
癸生川 9.5度のほうが操作はしやすいですね。
小島 僕も見ていてそう思いました。10.5度は直進性をウリにしているだけあって、フェースの向きに対して真っすぐに飛ぶという感じの弾道。一方の9.5度は、右や左をケアしながらコントロールする弾道を打っていきたいよっていう人に合いやすいんじゃないかなと思いましたね。だから、操作しやすい9.5度、直進性の10.5度っていうのが僕らのイメージかなと思います。
みんなのゴルフダイジェストYouTubeのみんゴル試打班「ガチギアトラック」では、ブリヂストン『B3 MAX』ドライバーのロフト角10.5度と9.5度でドローとフェードの打ちやすさなども試打による検証を行っているので、そちらもぜひ視聴してクラブ選びの参考してもらいたい。
動画で確認
THANKS/アコーディア・ゴルフ 技術研究所