全国には数多くのレッスンプロがいる。さらにレッスンプロを目指すゴルファーのための教科書もある。レッスンプロを指導するレッスンプロの先生もいる。連載初回はレッスンプロの先生が教えるゴルフの基本の「ハーフスウィング」。2回目は初心者も上級者も上達が早くなる「本物のハーフスウィング」、3回目はそのための3つのポイントを解説してもらった。今回はポイントの2つ目、「ねじる動き」(捻転)を教わったのだが……。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本③】
画像: ねじる動きは"ここから"始まる。「ハーフスウィングにねじる動きがいらないというのじゃなくて、ハーフスウィングの段階ではねじる動きはまだ入ってこないということです。ねじる動きはシャフトが地面と平行の位置から上に上げたときに生まれます」(原田)

ねじる動きは"ここから"始まる。「ハーフスウィングにねじる動きがいらないというのじゃなくて、ハーフスウィングの段階ではねじる動きはまだ入ってこないということです。ねじる動きはシャフトが地面と平行の位置から上に上げたときに生まれます」(原田)

ねじる前もねじった後も「両ひざは動かさない」

GD 前回は「ボディターン」がとても大事だということでした。マスターするためのボディターンドリルは、クラブを持たず、(右利きの場合)両手を胸の前で右手、左手の順序でクロスして、右に乗せた体重を左へ移動しながら体を回転させていくのでした。

原田 そうです。「ボディターン」の重要ポイントは3つありました。逆に言えば3つしかないんですけど。

GD はい。ひとつ目は体重の移動を伴った回転、2つ目が右軸を作った時に下半身と上半身をねじる動き、3つ目が左軸を作ったときにアドレス時の背骨の角度を保つ、でした。

原田 合ってます。

GD クラブを持たずに説明を聞いていると、やっぱりクラブを振りたいし、打ちたくなります。

原田 いいですよ。クラブを振って、打って、置いて、振って、置いてを繰り返し、それでスウィングを身につけていくことは大事です。でも、まずクラブを置いてボディターンドリルをして、3つのポイントを確認していきましょう。

GD ポイントのひとつ目は体を回して体重移動をする。2つ目がねじる動きでした。

原田 右サイドに体を回して、右サイドに体重移動し、体をねじる。

GD 「ねじる」とは、背中をターゲット方向に向ける感覚でしょうか?

画像: 【写真A】スポンジを体に見立てると、写真左がクラブを上げる前。中央は下半身を止めてねじった状態。右は体は回っているが下半身も一緒に動いてねじれていない状態

【写真A】スポンジを体に見立てると、写真左がクラブを上げる前。中央は下半身を止めてねじった状態。右は体は回っているが下半身も一緒に動いてねじれていない状態

原田 それではねじったことにはなりません。ねじる動きのイメージを説明します。このスポンジを見て下さい(写真A左)。下のほうを手で押さえて固定して、上のほうをねじります。ある程度ねじったところ(写真A中央)で上の手を離すと、スポンジは勢いよく元の形に戻りす。このイメージをねじる動きに当てはめると、下半身を動かさずに上半身をねじる感覚です。

GD 下半身は体重移動しても、ほとんど正面を向く。それでいて上半身を回すような?

原田 そうです。最初に動かすのは胸、肩あたりです。全体の動きとしては、まず構えを作ったら、右足に体重移動をして右サイドに軸を作ります。右サイドの軸は右わきの下から下ろした線上にあると考えてください。イコール右足の内側線上ですね。頭はその右の軸の上、つまり右足内側の上あたりにくるようにします。こうすると体重は8割程度右足の内側にかかってきます。

GD 腰は回していいんですか?

原田 腰は回していいですよ。ただ、大事なことは両足のひざから下が動かないようにしてください。動いてしまうと正しくねじる動きができなくなります。スポンジをねじる場合でも、下を押さえている手が動いてしまえば、うまくねじることができないですよね(写真Aの右)。

GD どうしてもひざから下が動いてしまいます。

原田 体重を股関節に乗せる意識を持つと、ひざは伸びませんよ。

GD 少し我慢ができるようになってきました。

原田 そもそもシャフトが地面と平行のハーフスウィングの段階では体をねじる動きは生まれないんです。クラブをそれ以上に上げたところからねじる動きは生まれるんです。

GD エエエエ、エーッ? ハーフスウィングにねじる動きはいらないんですか? 原田プロ、早く言ってくださいよ。それなら先に3つめの重要ポイントの「前傾角度」から教わったほうがいいのでは。

原田 そうですね(笑)。ただ、ハーフスウィングにねじる動きがいらないというのじゃなくて、ハーフスウィングの段階ではねじる動きはまだ入ってこないということです。ねじる動きはシャフトが地面と平行の位置から上に上げたときに生まれます。ハーフスウィングではねじらない、フルスウィングではねじる。これが2つ目のポイントの「ねじる動き」です。

GD はい。だから回転と体重移動と前傾姿勢だけを身につけられるハーフスウィングは、無理してフルスウィングばかり練習するより簡単にスウィングを身につけられるんですね。

原田 ハーフスウィングはフルスウィングの8割。残りの2割にねじる動きがあるんです。逆に言えば、ハーフスウィングには難しいねじる動きがまだないわけですから、ビギナーだけでなく経験者も取り組みやすいし、比較的マスターが早いんですよ。

GD では、ねじる動きはハーフスウィングを覚えてから、さらに深く教えてもらうということで。

原田 そうしましょう。

GD まず、体のどこを意識すると「スムーズな回転と体重移動」ができるのか教えてください。先に「前傾姿勢」のほうがいいですか?

画像: ボディターンドリルでも両ひざを動かさないで、右サイドに体を回しながら体重移動する。左手の親指辺りに意識を置いて「体幹ターンドリル」を行おう

ボディターンドリルでも両ひざを動かさないで、右サイドに体を回しながら体重移動する。左手の親指辺りに意識を置いて「体幹ターンドリル」を行おう

原田 意識するポイントを先に説明したほうがよさそうですね。ポイントは「体幹」です。

GD 丹田あたりじゃないですか!?

原田 いいえ。アゴの下、鎖骨の間あたり、胸の中心を意識して回すといいです。体の軸が安定して、いいボディターンができます。

GD ボディターンというより、体幹ターンという言葉もよさそうですね。

原田 いいじゃないですか。「体幹ターン」。胸の中心で体幹を意識して、「体幹ターンドリル」やりましょう。

GD ただ、体を回しながら体重移動をするというひとつ目のポイントで、さっと流しましたが、体を回しながら体重移動するって難しくないですか?

原田 両手を胸の前でクロスして右サイドに体重を移動しながら回転してみてください。

GD こうですか?

原田 それはスウェイ。やはり、体重移動をしっかり説明しましょう

次回、体重移動をもっと詳しく。

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