「週刊ゴルフダイジェスト」で毎年恒例となっている“ゴルフ川柳コンクール”。昨年は選考会の日がWBCの決勝の日に重なり、オオタニサンネタでも大盛り上がりとなったのだが、今年は“大人の事情”も加味しながら(?)の“闘い”に。応募総数3403点から入選作品を選ぶ“大選考会”の模様を「みんゴル」では【前編】【中編】【後編】の3回に分けて紹介していきます。今回は【中編】!

【前編】はこちらから

「いいラフだ」 我が家の庭だ 早く刈れ
 (神奈川県 よんよんいち 46歳)

正蔵 そうだそうだ、一刻も早く刈るべきです。林家正蔵は、世の妻の味方です!

GD また、言い出しちゃった。

「行っといで!」 いちばん元気 出る言葉
 (東京都 都の風 77歳)

正蔵 これいい!

GD 何だろ、「いってらっしゃい」じゃ醸し出せない絶妙なニュアンスがある。

正蔵 背中を押すような一言だなあ、江戸っ子っぽいような肝っ玉母さんっぽいような雰囲気が出ている。

おまえへた なのにやめない おれもへた
 (神奈川県 ようちゃんゴルフ 74歳)

正蔵 ああ、これもいいなあ。

GD 何だかほのぼのしますねえ。

ゴル友は そんなに上手く なくていい
 (福島県 カメちゃん 63歳)

 
正蔵 あ、これもさっきの川柳と同じようなことを言っているんだけど……。「おまえへた」のほうは、まず相手を落として、最後に自分も落とすというやり方がうまい。

GD 「おまえへた」のほうは、全部ひらがななのも味わいがある気が。でも、やっぱりゴル友はスコア110~130の人が一番ですよ。だいたいね、そういう人は性格がいいですよ。

正蔵 それ、あなたのことでしょ。

定年後 ゴルフは軽で 再出発
 (山梨県 アホウドリ 62歳)

正蔵 いいじゃない、いいじゃない。定年後は見栄の張り合いもなし。気の合うゴル友と軽自動車でサッと近場のコースへ。

GD 自動車もだし、気分も「軽」くなっているのかも。理想のゴルフライフ。一方で、突如、不穏なワードも登場。

ニューボール 生け贄として 森に消え
 (埼玉 シゲ蔵 60歳)

正蔵 これは「生け贄」と言う言葉が秀逸。最初に一球、新しいのを森に捧げておけば、あとは全部セーフになるとか?

GD しかも高いボールほど効果絶大とか。

池の底 秋じゃ無いのに 紅葉が
 (大阪府 長山辰治さん 60歳)

正蔵 わかる。カラーボールがたまっているのが見えるんだよね。しかも、オレンジとか黄色とか暖色系が多いから。

GD グラデーションになんてなってたら、あー、美しいな、と。そんなことを言っていたら……。

池の中 高級ボールが 目に止まり
 (静岡県 ヒデヒデ 64歳)

正蔵 ああ、わかる。池の一番浅いところにピカピカのプロ1V1が見えるの。

GD 手を伸ばせばプロV1。

正蔵 はっきり言って、欲しいです。でも、みんなが見ているのよ。「あいつ、自分のボールでもないの拾ってる」なんて思われちゃってさ。

GD セコイセコイ。池のボール、拾っちゃダメ、ゼッタイ。キケン。森の中の生け贄ボールならまだ良し。

正蔵 いやー、生け贄って要は人柱よ。拾って大丈夫ー?

画像: 笑いのプロである林家正蔵師匠がこの表情を見せるほどの名句も!(撮影/加藤晶)

笑いのプロである林家正蔵師匠がこの表情を見せるほどの名句も!(撮影/加藤晶)

ボールより ファーを叫んで 入れ歯飛び
 (東京都 春蚊秋冬 51歳)

正蔵 これ、実際にいたのよ。プレーヤーじゃなくてキャディさんなんだけど。「ファッ」って言った後、急にゴボゴボゴボッて……。みんな「どうしたどうした」となったけど、さすがプロよ、後ろを向き、素早く装着し直して普通に振る舞っていました。

GD 私、同伴者にこれされたら笑いをこらえ切れないと思う……。でも、そのシーンが思い浮かぶ川柳は良作なんですよね。えー、ゴボゴボ……。

正蔵 笑わないの! でも、そういえばうちの父親も1回、高座で入れ歯が外れたことがあったんですよ。

GD 本当ですか?

正蔵 ただ、キャディさんの入れ歯が外れたのは10年ぐらい前だから、父親の時代より入れ歯もだいぶ進歩しているはずですがね。「ファー」の発音と入れ歯の相性が悪いのかもしれない。

GD なるべく「ファー」は言わずに済むようにしたいですね。

イソップに なったと 悩む会長さん
 (石川県 前進4打 58歳)

GD え、これは、イソップではなくイップスの間違いです。

正蔵 あー、ははははは。かわいい会長さんじゃないですか。

GD なんかメルヘンチック? でも、ほかの人も誰も指摘できなくなっちゃった。早い段階で「イップスですよ」と指摘できたら良かったんですけどね。

正蔵 実は私ね、ついこの間、弟子から指摘されたことがあったの。カニカマあるでしょう。私、あれをこれまでずーっと「カニボコ」って言ってたの。カニチャーハンがうまい店があって、そこで弟子に「このチャーハン、うまいけど、この具絶対カニボコだよなあ」って言ったら「師匠、それ、カニカマです」って。最初、信じられなかったですよ。もう何十年もカニボコだと思っていたんだから。でさー、どうして誰も教えてくれないのさ。

GD 言えないもんなんですよ。私の先輩は「団塊の世代」をずーっと「ダンコンの世代」って言ってますよ。あと、上戸彩が出たての頃、別の先輩が「ウエット彩」って。ハーフタレントと思っ
てたみたいです。「誰だよ、ウエットって」と思いながら、ついに言えませんでした。最近は「サッ
カーは『ダズーン』(ダゾーン)で見ている」そうです。どうか気付いてくれますように。そして、中華料理店の話が出たので……。

打つときの リズムはいつも 『ホイコーロー』
 (兵庫県 番手ヒロキ 57歳)

正蔵 「チャーシューメーン」が多数派かな。

GD 「カニチャーハーン」もいけそう。「カニボコチャーハーン」だとダメですね(笑)。

正蔵 しつこいなあ(笑)。

GD 私は、中華料理のメニューでは「鶏のカシューナッツ炒め」が好きですね。

正蔵 好きなメニューを言うコーナーじゃないですよ。「トリノーカシューナッツイタメー」じゃ、全然スウィングに合いませんね。

GD しかも、鶏のカシューナッツ炒めのカシューナッツ抜きが好きなんですよ。

正蔵 鶏じゃないですか。

GD スウィングだと、「トーーーーリーーー」って感じになります。

正蔵 リズム狂いますね。

GD 【後編】は、毎度お上手な皆さんによるレジェンドタイムでーす。

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【後編】は2024年5月12日18時30分に公開予定です!

※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月21日号「ゴルフ川柳コンコール入選作大発表」より一部抜粋
※2024年5月13日19時36分、一部加筆修正しました。

第2回ゴルフ川柳の結果はこちらから

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