飛び系アイアンの元祖として不動の地位を築くゼクシオ。その最新作『ゼクシオ13』が昨年末に発売され、同時にアスリートテイストの兄弟モデル『ゼクシオ X(エックス)』も新しく生まれ変わった。発売から約半年。それぞれの評価が出そろいつつある今、改めてその選び方を考えてみた。

ゼクシオアイアンがリードしてきた「飛び系アイアン」の進化

画像: (左)ゼクシオ13 アイアン (右)ゼクシオX アイアン

(左)ゼクシオ13 アイアン (右)ゼクシオX アイアン

2000年の初代「ゼクシオ」誕生から24年。『ゼクシオアイアン』もとうとう13代目となった。その登場からこれまで、ゼクシオに追いつけ追い越せをテーマに、ライバルメーカーが凌ぎを削ってきた結果、飛び系アイアンは目覚ましい進化を遂げたきたのはご存じの通り。その影響は米国のメーカーにも伝播し、最近の海外ブランドのアイアンにもストロングロフトが目立つようになっている。

飛び系アイアンの進化を簡単に言ってしまえば、「飛び」と「やさしさ」の両立である。

通常のアイアンよりも1番手飛ばすことができ、1番手高い球が打てる。そして、通常のアイアンだとミスショットになるインパクトのブレをヘッドでカバーすることも進化のテーマに加えられた。

その結果、飛距離アップに直結するロフトを立たせ、ロフトを立てても球が上がるよう低重心化が図られた。スイートエリアを拡大するために、キャビティ部の最適化も考えられるようになった。

画像: 今作でも採用された7Iで28度のストロングロフト設定は『ゼクシオ11 アイアン』で確立した

今作でも採用された7Iで28度のストロングロフト設定は『ゼクシオ11 アイアン』で確立した

ゼクシオアイアンの7番のロフトは「32度」からスタートし、2代目で「31度」、3代目で「30度」とモデルチェンジのたびに1度ずつストロング化していったが、9代目まで「30度」が続いた。そして10代目で「30度の壁」をクリアすると、「29度」は一代限りで、11代目からロフトをさらに1度立たせた「28度」になった。

似ているようでまったく違う。「ゼクシオ13 アイアン」と「ゼクシオX アイアン」はどこが違う!?

画像: 「ゼクシオ13」は一部を中空キャビティ構造にしたこと、また「ゼクシオX」はボディを鍛造から鋳造に変化させトップブレードを薄くできたことにより、大きな余剰重量を創出。これをソールのトウ寄りにタングステンウェイトとして置き、圧倒的な低重心に(写真/三木崇徳)

「ゼクシオ13」は一部を中空キャビティ構造にしたこと、また「ゼクシオX」はボディを鍛造から鋳造に変化させトップブレードを薄くできたことにより、大きな余剰重量を創出。これをソールのトウ寄りにタングステンウェイトとして置き、圧倒的な低重心に(写真/三木崇徳)

まずは「ゼクシオ13 アイアン」。

「ゼクシオアイアン」は初代から13代目までフェースにはチタンを採用している。比重が軽く、反発性能も期待できるチタンフェースの外周を比重の重いステンレスのボディで囲むことで慣性モーメントを大きくすることを一貫してやってきた。

さらに、13代目となった「ゼクシオ アイアン」は、シリーズ初の「中空構造」を採用している。中空アイアンは、近年飛躍的な進化を遂げ各クラブメーカーが採用しているテクノロジーだが、ゼクシオも中空構造を採用したことで、「28度の壁」をクリアし、次なる「27度」への活路を見出すことになるのだろうか。

一方、「ゼクシオX アイアン」。

今作が3代目となり、本家「ゼクシオ」にはない操作性やアスリート色を加味したアイアンとなっている。ボディはSUS413(ステンレス鋼)、フェースにはHT1770(ステンレス鋼)が使われ、4番から7番アイアンにはタングステンが埋め込まれている。

「ゼクシオ13 アイアン」と「ゼクシオX アイアン」のスペックを比べてみると

各クラブの7番アイアンとピッチングウェッジのロフトは、

ゼクシオ13 アイアン/#7:28度、PW:42度
ゼクシオX アイアン/#7:28.5度、PW:43度

各クラブの7番アイアンとピッチングウェッジの長さは、
ゼクシオ13 アイアン/#7:37.25インチ、PW:35.75インチ
ゼクシオX アイアン/#7:37インチ、PW:35.5インチ

「ゼクシオ13 アイアン」のほうがストロングロフトの設計になっており、クラブも0.25インチ長い。理論上は、同じ距離を打つとしたら、ゼクシオ13アイアンのほうが遅いヘッドスピードでもいいことになる。

クラブの重量については、ヘッド重量(ゼクシオ13 アイアン 263.7g、ゼクシオX アイアン267.5g )の違いや、純正シャフト(カーボン、スチールともに)の重量帯(ゼクシオ13アイアンのほうが軽い)から、クラブ全体の重量は同じ番手ならゼクシオX アイアンのほうが重くなっている。

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「ゼクシオ13 アイアン」と「ゼクシオX アイアン」の構えたときの印象は?

画像: ゼクシオ13アイアン(7番アイアン)

ゼクシオ13アイアン(7番アイアン)

アドレス時の安心感にも直結するヘッド形状。

「ゼクシオ13 アイアン」は、ヘッドが「非常に大きい」ので、特にティーアップしたときに打ちやすく安心感がある。そして、「広いソール」と「幅の厚いトップライン」も相まって、「ユーティリティのようなイメージ」が強いのが特長だ。

対して「ゼクシオX アイアン」。

画像: ゼクシオX アイアン(7番アイアン)

ゼクシオX アイアン(7番アイアン)

「ゼクシオ13アイアン」より小ぶりで、どちらかと言うと同じダンロップの「スリクソンZX5 MkⅡ」に近い。「ストレート系のリーディングエッジ」と「丸いトップライン」の組み合わせから球を包み込むイメージが湧き、さらにグースネックとアップライトなライ角と相まって、球をつかまえてくれそうだ。

さらに厚めのトップラインで力強さも感じます。試打クラブは7番で「ダイナミックゴールド95」のS200が装着されており、シャフトはスチールながらも軟らかさがあり、ヘッドスピードが40m/sくらいのゴルファーでも扱えるクラブといえる。

「ゼクシオ13 アイアン」が合うゴルファーは?

「ゼクシオ13 アイアン」は、クラブ長さは37.25インチ(実測値)と「やや長い」が、クラブ重量は「非常に軽量」。

ヘッドが大きく、左右方向のヘッド慣性モーメントが大きいので、直進性能が高く方向性重視のゴルファーにおすすめ。

スペックから推察するとドライバーのヘッドスピードが39m/sくらいのゴルファーにとって、振りやすいモデルと言えるだろう。

★★★北田瑠衣プロのゼクシオ13 アイアン試打記事は↓★★★

「ゼクシオX アイアン」が合うゴルファーは?

クラブの長さが7番で37.0インチと「標準的」。「ゼクシオ13 アイアン」より0.25インチ短くなっているが、クラブ重量は装着されているスチールシャフトも相まって「やや重く」、それに伴いスウィングウェイトも「やや大きく」なっている。

スペックから推察するとドライバーのヘッドスピードが41m/s~くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすいモデルと言えるだろう。

「ゼクシオ13 アイアン」よりも左右方向のヘッド慣性モーメントは小さく標準的なヘッドで、「夏のラフからのヘッドの抜け」「球のつかまり」「操作性」は「ゼクシオX アイアン」 のほうが高い。

★★★古田敦也氏のゼクシオX アイアン試打記事は↓★★★

「ゼクシオ13 アイアン」と「ゼクシオX アイアン」の詳細なヘッドデータ分析と試打評価はこちら

飛び系アイアンの進化を牽引しつづけるゼクシオ。今後もスタンダードとなり続けるのか、その最新モデルをぜひ一度体験してみてはいかがだろう。

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