石川遼がピンマイクプレーで「64」をマーク
石川はこの日、6位から出て1イーグル、6バーディの大会ベストタイ64をマーク。通算14アンダーで単独首位に浮上し、2年ぶりの通算19勝目を射程に捕らえた。
前半インは13番パー4で第2打を直接カップインさせてイーグルを奪うなど4アンダー32。折り返して後半アウト9ホールで帯同の佐藤賢和キャディとともにピンマイクを装着してのプレーに臨んだ。
注目された1番パー4のティーショットはフェアウェイセンターへナイスショットを放ち、マイクに向かって「途中で(マイクを)つけていることを忘れちゃう。なんか言っちゃったらそのときで」と心構えを披露。プレーでは第2打の当たりが悪かったのか、ピン手前8メートルにショートし「うすし」(薄目に当たった)とつぶやき、この言葉はコメント欄やSNSでは大いに話題となった。
グリーン上でも”リップサービス”に徹した。「ジャストタッチしたら1メートルくらい曲がるかな」とラインを読み、大きく曲がるスライスラインに対し「プッシュ」と押し出し「やらかした」と反省した。最後は「真っすぐ。しっかりだね」「そうだね」と佐藤キャディと確認の会話をし、1メートルのパーパットを沈めた。
2番パー4へ向かう途中では、ホール間でも佐藤キャデイとの“作戦会議”をマイクに向けた。「右への突き抜けはよくないもんね」「3Uから8番アイアンとか?」。その通りにティーショットを3番ユーティリティで打ち、パーで上がった。
雨足が強くなった4番からは4連続バーディで一気にリーダーズボードを駆け上がった。
「セガサミー(の会場のザノース)感が半端ない。洋芝」というつぶやきも漏れ、6番パー5は第1打が左へ出て「もしかしたら(ギャラリーに)当たっちゃったかもしれない」と気遣いを見せた。第2打を右ラフに入れた時点では「最悪です。あちゃー」と嘆きながら、第3打は「飛ばな、右抜け」とイメージ通りではなかった様子だったが、6メートルのバーディパットを決めた。
最終ホールの9番は413ヤードのパー4は、第2打を9番アイアンでピン奥3メートルにつけ、フックラインのパットを前に「(カップの)右なかでいい」と佐藤キャデイと確認しパーをセーブ。がっちりと首位をキープした。
前日第1日はボールがカップのふち周りをくるりと回ったことに「マロった」と漏らして、これが話題を集めた。この日は「うすし」の”名言”が飛び出し、プレー中ピンマイクをつけるという大会盛り上げ作戦は大きな成果を得た。
決勝ラウンドからは競技性を優先し、ピンマイクは予選ラウンドだけで終了となるが、プレーもリップサービスも“舌好調”の石川が、残り2日はスーパープレーで盛り上げる。