ショットの前に何気なくやっているゴルファーもいるだろう、手の中でクラブをくるくると回す動き。これが時計回りか反時計回りかで「ショットのタイプや合うグリップにも違いが出てくるんです」と言うのはプロコーチ・浦大輔。自分のタイプはどちらなのか、意図的に回す方向を変えるとスウィングのイメージはどう変わるか、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが検証してみた。

反時計回りはつかまるタイプ、時計回りは体とクラブを同調させて振るタイプ

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。みなさんはショットの前にどんなルーティンをしていますか? 素振りの回数だったり、ワッグルだったりいろいろとあると思いますが、クラブをくるくると回す動きってのもありますよね。プロもよくやっている動きです。

月刊ゴルフダイジェスト8月号の「プロ汁!ごっくん。」というコーナーの中に「飛ばし屋は左 操作は右回し。」という記事があり、あの”くるくる”の回す向きでショットの傾向がわかるというんです。いったいどういうことでしょうか? 記事を読んで、僕も”くるくる”やってみました。

画像: 月刊ゴルフダイジェスト2024/8号に掲載されていた、プロたちがやっているクラブをくるくる回す動作についての特集。回す方向でショットの傾向がわかるというが……果たして本当!?

月刊ゴルフダイジェスト2024/8号に掲載されていた、プロたちがやっているクラブをくるくる回す動作についての特集。回す方向でショットの傾向がわかるというが……果たして本当!?

この記事で解説してくれているのは浦大輔プロコーチ。浦コーチは変なところに目が行きやすい性格らしく、プロがクラブを”くるくる”する動きにも意味があるんじゃないかと思ったらしいです。で、統計を取ってみたところ反時計(左)回りは飛ばし屋が多く、時計(右)回りはショットメーカーが多いということが分かったそうなんです。

たとえば反時計回りはジョン・ラーム、やローリー・マキロイ、キャメロン・チャンプ。時計回りは松山英樹やタイガー・ウッズ、ザンダー・シャウフェレがいるそうです。こうやって名前を見てみると、たしかに飛ばし屋とショットメーカーに分かれているような気もしますね。

ではなぜ、プロがアドレスの前にくるっとクラブを回す動きがショットタイプに影響するのでしょうか?

浦コーチによると、反時計回しタイプは親指と人さし指を弾くように使って回すので、リストを使ってヘッドの開閉を積極的に使うタイプだということなんです。インパクトでヘッドを返す動きが強くなるので、ヘッド速度も上がり、球がつかまるので飛距離が出るということなんですね。

画像: 反時計回しは親指と人さし指を弾くように使うので、リストを使ってヘッドの開閉を積極的に使うタイプ

反時計回しは親指と人さし指を弾くように使うので、リストを使ってヘッドの開閉を積極的に使うタイプ

逆に時計回しタイプのほうは、小指と薬指にグリップを引っかけ、腕全体で回しているということなんです。そのためスウィングのときも体とクラブを同調させながらスウィングする動きになるそうなんです。

画像: 時計回しは小指と薬指にグリップを引っかけ、腕全体で回すので体とクラブを同調させながらスウィングする

時計回しは小指と薬指にグリップを引っかけ、腕全体で回すので体とクラブを同調させながらスウィングする

この”くるくる”、僕もなんとなくやるときがありますが、確認してみると時計回りでした。飛ばないオヤジ的には合ってるといってもいいんでしょうかね。だからといってショットメーカーでもありませんが。

浦コーチは反時計回りは、フィンガーグリップで球を捕まえたい人に向いているそうです。時計回りタイプはパームグリップで、アプローチでいろんな球を打ちたい人に向いているとか。

画像: (左)反時計回りはフィンガーグリップ、(右)時計回りはパームグリップに向いている

(左)反時計回りはフィンガーグリップ、(右)時計回りはパームグリップに向いている

意図的に回す方向を変えたらイメージも変わる? 実際にやってみると……

なるほどな~と思うのですが、それならばルーティンで回転の向きを変えることで、球筋の傾向を変えることはできるのかな? と思ったわけです。僕は時計回りでフェードヒッターなので、反時計回りの”くるくる”をアドレスのときにすると、ボールがつかまりやすくなったりしてくれないかなと。もし、そんなことができたら、スウィング軌道とかいろいろ難しいことを考えなくても、つかまったボールが打てるようになるということじゃないっすか。

ってことで、いきなりラウンドでやってみました。アドレスの時点で反時計回りにクラブを”くるくる”して、それから打つわけですが、普段は時計回りでクラブを回しているので、意外と逆に回すのって違和感があります。浦コーチが言うように親指と人さし指で弾くように回すとけっこう上手く回せました。

で、反時計回りに回す動きを強調するために5回転くらいさせてからボールを打ってみました。すると、これが不思議なことに、リストをターンさせるというイメージがけっこう出て、ボールのつかまりが少しよくなったんです。正直、ルーティンでクラブを”くるくる”させる向きだけで、球筋に影響が出るなんて思わなかったので驚きました。アイアンでもドライバーでもやりましたが、どちらもターンさせるイメージがでます。ただドライバーでスライサーの僕がドローボールになるような劇的な変化はありませんが、つかまりが少しよくなってる気がするんですよね。少なくとも、つかまえるというイメージが出るのは間違いないです。

画像: 反時計回しをしてから打つと、フェースをターンさせるイメージが出る

反時計回しをしてから打つと、フェースをターンさせるイメージが出る

途中でいつものように時計回りに回してからアイアンを打ってみたのですが、これはやはりフェースをターンさせるというイメージが出にくいです。アプローチのときに時計回りに回してから打つと、フェースの向きが変わらないのでいいかもしれません。ボールを少し上げたいアプローチとかに良さそう。逆に足を出すランニングアプローチとかは反時計回りのほうが打ちやすい気がしました。

画像: 時計回しをしてから打つと、体とクラブを同調させながらターンしていくイメージが出やすい

時計回しをしてから打つと、体とクラブを同調させながらターンしていくイメージが出やすい

今回”くるくる”をラウンドしながら試してみましたが、たしかにフェースターンをさせるイメージが出やすくなります。でも、さすがに必ずナイスショットになるというもんではないですね(当たり前ですが)。やはりしっかりとしたスウィングがあって、それプラスでこの”くるくる”のイメージを持てば、ショットのイメージが出やすいと思います。”くるくる”は気軽に試せるし、これをルーティンにすればイメージが出やすいので、僕はこれからも取り入れてみようかと思います。みなさんも自分がどっちのタイプか確認して、一度逆回しとかをやってみると面白いかもしれませんよ。

しかし、こんな細かくて変なことに気付くなんて、浦コーチは凄いな~と思います。そして、そんな記事が気になって試しちゃう僕もなかなか凄いな~なんて思いました(笑)。

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