息詰まる接戦を制し古江彩佳がアムンディ・エビアン選手権(フランス、エビアンリゾートGC)第30回記念大会でメジャーチャンピオンに輝いた。大会がメジャーに昇格する以前、小林浩美(97年)と宮里藍(09年、11年)が優勝しているゆかりの地で日本女子4人目のメジャー覇者が誕生。しかもサンデーバック9で3連続バーディ、最後はイーグルで締める劇的な大逆転勝利だった。

首位と2打差の2位からスタートした古江のフロント9は耐えるゴルフだった。折り返して12番で1つスコアを落とし、トップとの差は3打に広がり優勝のチャンスは遠のき、本人も「諦めそうになった」。

しかし14番で10メートル、15番で12メートルのロングパットを沈めると、難しい16番パー3も1.5メートルを決めて3連続バーディで首位に並んだ。

迎えた18番。パー5のティーショットはファーストカットに捕まった。しかし古江は怯むことなく6番アイアンを手にし、グリーン手前の池をギリギリで越すスーパーショットを繰り出しピンそば射止め、3.5メートルを沈め劇的イーグルで1打差の勝利をもぎ取った。

仲間たちにシャンパンシャワーで祝福された古江は「メジャーで優勝できると思っていなかったのでうれしい、の一言です」と満面の笑み。

前半なかなかチャンスにつけられず「絶対にボギーを打たない」と誓ったバック9の12番でボギーを叩いた。3打差を追う展開に「15番で諦めそうになった」というが、「自分を信じてやるだけ」と開き直ったことが3連続バーディの原動力になった。

気持ちを切り替えたとき思ったのが最近好きになったスターウォーズのジェダイの言葉。「May the force be with you(フォースと共にあらんことを)」というフレーズを言葉に出して(自分に言い聞かせながら)それを私も信じる、と思ってプレーしました」

それがまるで魔法のように3連続バーディに繋がり最後のイーグルに繋がった。しかし「普段あまり緊張しないほうなんですけれど、終盤は今までにないくらい怖くて緊張して、気持ちを落ち着かせるのが大変でした」。

画像: パラグライダーで持ってきた国旗の前で優勝カップを掲げる古江(PHOTO/Getty Images)

パラグライダーで持ってきた国旗の前で優勝カップを掲げる古江(PHOTO/Getty Images)

これまで日本でもメジャータイトルを獲得したことのない古江は「海外メジャーで勝てると考えたことはなかった」。だが今季トップ10にツアー最多の8回入っており周囲からは勝利は時間の問題と見られていた。

22年に最終日62の猛チャージでツアー初優勝を飾ったスコティッシュ女子オープンも欧米両ツアー共催。どうやらヨーロッパに縁があるようだ。パリ五輪出場は逃したものの、この勢いなら渋野日向子が19年に優勝したAIG全英女子オープンでも活躍してくれそうだ。

それにしても今シーズン4つのメジャー(残り1つ)で日本勢が2つのタイトル(笹生優花の全米女子オープンと古江のエビアン選手権)を獲得するとは。77年に樋口久子が日本勢初のメジャー優勝を飾ってから渋野まで42年のブランクがあったのが嘘のよう。いま、なでしこたちは世界の舞台で輝いている。

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