数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と試打のスペシャリスト・堀越良和プロが最新クラブを打って測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回は住友ゴムの「ゼクシオイレブンドライバー」です。
国民的ブランド「ゼクシオ」の正統進化
ブランドのロゴが刷新された11代目のゼクシオですが、構えたときの安心感は、これまでと何ら変わりはありません。アップライトでフェースアングルもプラスと、つかまりを重視したフェース形状ですが、違和感なく構えることができます。(堀越)
新モデルの注目すべき特徴は、グリップエンドにウェートを埋め込んだ「ウェイトプラステクノロジー」です。手元側が重いのでテークバックが安定するし、インパクトゾーンではカウンターバランス効果でヘッドが効率よく走り、フェースターンもしやすくなっています。もちろん、球もやさしく上がってくれます。(堀越)
スウィートスポットがさらに大きくなっている
爽快感のある打音も、歴代ゼクシオの特徴ですが、それは新モデルでも健在。しかも、いい音が出るエリアが広がっています。
スウィートスポットがさらに大きくなったことで、よりミスヒットに強くなり、芯を外しても飛距離が落ちません。
これまで確立してきたアイデンティティを守りつつ、よりやさしく球をつかまえられて、遠くへ飛ばせるドライバーへと、さらなる進化を遂げています。
まだゼクシオは早いと思っている人にも試してほしいですね。(堀越)
球がつかまるイメージが湧く
実測値のクラブ重量は軽いですが、クラブレングスが長く、スウィングウェートも大きいので、クラブ慣性モーメントは大きいです。(松尾)
ヘッドは横幅の広い丸型形状で、アドレスでは強いフックフェースとアップライトなライ角で球をつかまえるイメージが強いです。クラブ重量が前モデルよりも約10g重く(Rフレックス比)なっていますが、シャフトは軟らかめなので、ヘッドスピードが40m/sくらいのゴルファーならSでよさそうです。
長い重心距離と深い重心深度で大きなヘッド慣性モーメントを狙っています。
打点がバラつく人、つかまえて飛ばしたい人
ネック軸回りの慣性モーメントが非常に大きいのでヘッドの返りは遅いですが、強いフックフェースで球がつかまる。高重心設計でヘッドスピードが遅くても適度なスピンが入って弾道が安定します。(松尾)
【総合評価】 飛距離性能 5/つかまり 4.5/上がりやすさ 4.5/ミス許容 4.5/操作性 3.5 ※5点満点
ヘッド体積/460cc
ロフト角/9.5度、10.5度、11.5度
ライ角/59度
長さ/45.75㌅
シャフト/ゼクシオ MP1100カーボンシャフト(S、SR、R、R2)
総重量/約280g(R)
価格(税抜)/8万円
※メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和
週刊GD2020年1月7・14日合併号より