数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はダンロップの「ゼクシオ プライム ドライバー」です。
ゴルフ寿命を延ばしてくれる
シニア向けということで、ヘッドスピード(以下、HS)を40㎧程度で試打しましたが、フックフェースでアップライトなライ角そのままに、しっかりボールがつかまってくれます。(堀越)
ロフト10.5度で、HSが遅めのシニアには少しストロングかと思いましたが、打ってみるとやさしくボールが上がります。
単純に、ロフトを大きくすれば、打ち出し角を高くできますが、エネルギーはロスしてしまいます。ロフトをキープしながら、高い打ち出し角を実現する工夫が随所に施されていて、飛距離性能も高いですね。
長さを感じさせない振りやすさと超軽量の効果で、HS36~38㎧の人を、HS40㎧ぐらいまで引き上げてくれます。30グラム台のRシャフトは、頼りない軟らかさではなく、しなり感と走り感が抜群で、ここにも最先端で高品質な素材が、惜しみなく使われているなという印象。軽やかで爽快感のある打音と打感もいいですね。
飛距離が落ちてきて、ゴルフが楽しくなくなったと感じているミッドシニアやグランドシニア世代の、ゴルフ寿命を延ばしてくれる1本です。(堀越)
ヘッドの重みを感じやすいドライバー
実測でクラブ長さが非常に長いですが、クラブ重量が一般の女性用ドライバーよりも軽い超軽量なの
で、クラブ慣性モーメントが抑えられています。(松尾)
ヘッドは丸型形状で、時計盤の4~5時方向(ヒール寄り)が張り出しているのが特徴。強いフックフェースと超アップライトなライ角度で、球をつかまえるイメージが出ています。試打クラブは10.5 度で標準のR シャフトでしたが、クラブを手にしただけでもシャフトがたわむほどの軟らかさで、ヘッドの重みを感じてスウィングしやすくなっています。
球をつかまえて飛ばしたい人、パワーが落ちてきた人
本来は扱いにくい46.5インチの長尺ドライバーですが、フックフェースと超アップライトなライ角で球をつかまえられます。弾道は高く、綺麗につかまるので、高齢のシニアの方にも良いでしょう。(松尾)
【総合評価】 飛距離性能 4/つかまり 4.5/上がりやすさ 4.5/ミス許容 4.5/操作性 3 ※5点満点
ヘッド体積/460cc
ロフト角/10.5度、11.5度
ライ角/60度
長さ/46.5㌅
シャフト/ゼクシオ プライムSP-1000(SR、R、R2)
総重量/250g(R)
価格(税込)/12万4200円
※メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和
週刊GD2019年5月28日号より