数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はダンロップスポーツの「スリクソンＺ785」ドライバーです。
「スリクソンZ 7」シリーズがやさしくなった
スリクソンの「Z 7」シリーズというと、プロや上級者向けのシビアなモデルという印象が強いはず。ところが、この「Z785」は実際に打ってみると、ロフト9.5度でも楽に球が上がってくれて、従来のイメージとは一線を画していますね。(堀越)
以前、同ブランドの「Z585」ドライバーを試打していますが、球の上がりやすさがほぼ同じで、かなりやさしくなったなという印象です。
フェース形状や向きの違いかもしれませんが「Z785」のほうがFP値がやや大きく見え、それが球の上がりやすさに繋がっているように感じました。
8gのステンレスウェートで重心深度が深い。精悍な顔つきだが打つとやさしい
「Z585」と比べると、つかまりが少し抑えられ、操作性もしやすいですが、従来のようなピーキーさはないので、アベレージでも扱いやすいでしょう。
カーボンクラウンですが打音が軽やかで爽快感があります。シャフトは先中調子で手元にしっかり感があり、気持ちよく振り抜けます。
プロモデルでありながら、ミスヒットに対しても寛容なので、アベレージ、上級者を問わず、左へのミスを怖がらず、ティショットをやさしく打ちたいゴルファーにオススメです。（堀越）
HS40m/sの人でも飛ばせる、安心感あるプロモデル
実測値でクラブ重さは標準的ですが、クラブ長さがやや長いので、クラブ慣性モーメントがやや大き
くなっています。ヘッドは兄弟モデルのZ585よりもオーソドックスな輪郭形状で、日本モデルとしては少ないオープンフェース設定となっており、よりスクェアに構えやすくなっています。（松尾）
試打クラブは9.5度でMAHANAのSシャフト仕様でしたが、シャフトはプロモデルにしては軟らかめの設定で、ヘッドスピードが40～42m/sくらいでも十分に扱え、しなり感もスムーズでインパクトの再現性も高いです。
フェース面はつや消しブラック。重心はややヒール寄り。そのぶんつかまりもいい
操作性が良くてやさしいドライバーを求める人に
大きなヘッド慣性モーメントと適度なバックスピンにより、安定した弾道を打ちやすく、スリクソン初のカーボンクラウン構造のヘッドながらも、インパクト音が他社にはないほど高めで爽快感があります。（松尾）
【総合評価】 飛距離性能 4／つかまり 3／上がりやすさ 4／ミス許容 3／操作性 4.5 ※5点満点
ヘッド体積／460cc
ロフト角／9.5度、10.5度
ライ角／58度
長さ／45.25㌅
シャフト／ MiyazakiMahana カーボンシャフト（S、SR、R）、
MiyazakiMIZU 6 カーボンシャフト（X、S）
総重量／303g（MiyazakiMahana、S）
価格（税込）／7万3440円
※メーカー公表値
解説：クラブ設計家 松尾好員
解説：プロゴルファー堀越良和
週刊GD2019年1月29日号より
ゼクシオやスリクソンの各ヘッドデータが比較できる、ダンロップ ドライバー図鑑はこちら
