アウトサイドイン軌道はスライスの原因にもなる、多くのアマチュアの悩みのタネ。アウトサイドイン軌道を防ぐために意識したい2つのポイントと練習ドリルを、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

「切り返し直後の胸の向き」と「ヘッドを振り抜く方向」に気をつけよう

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はもう30年くらいゴルフをやっていまして、ある程度いいスコアでラウンドできるくらいにはなっているのですが、それでもずっと直らないクセってのがあります。それがアウトサイドイン軌道。こればかりは、何年経っても直らないし、ここ一番でってとこで出ちゃうんですよね。月刊ゴルフダイジェスト9月号の「読者記者がゆく。」という読者のお悩みを解決する連載に、僕と同じ悩みを相談している人がいたので、解決方法を試してみることにしました。

画像: 月刊ゴルフダイジェスト2024/9号で特集されていた、アウトサイドイン軌道を防ぐコツ実践!

月刊ゴルフダイジェスト2024/9号で特集されていた、アウトサイドイン軌道を防ぐコツ実践!

この記事で相談していらっしゃる読者の方は、まだゴルフ歴の浅いゴルファーなのですが、「ボールが全部目標より左に出る」という悩みをかかえておられます。もうこれは完全に僕と同じ悩みで、間違いなく右肩が出てしまって、スウィング軌道がアウト‐インになっているということ。そのときに軌道に対してフェースが開いていないので、ボールが左に真っすぐ飛ぶということなんですね。

この記事で指導してくれている橋爪力プロによると、切り返してすぐに胸の向きが変わり、右肩が前に出た(左肩が開いた)状態になることが原因だということです。なのでアウト‐イン軌道になっちゃうんですね。それを防ぐためには、切り返しのときに胸の面を変えないように意識すること。ダウンスウィング中盤まで、胸を飛球線後方に向けたまま手を下に下ろすイメージで振るといいということです。そうすることで、右肩が前に出ず(上体が開かない)、アウト‐イン軌道を防げるということなんですね。

画像: (左)右肩が前に出てしまうとアウト‐イン軌道になる。(右)胸を飛球線後方に向けたまま手を下に下ろすと右肩が前に出ない

(左)右肩が前に出てしまうとアウト‐イン軌道になる。(右)胸を飛球線後方に向けたまま手を下に下ろすと右肩が前に出ない

そして、もう一つのポイントが、ヘッドをなるべくアウトに振り抜くこと。ヘッドをあえてアウトサイドに投げ出すように振ることで、右肩が出るのを抑えられるということです。この動きに慣れてきたら、腰から回して全体を左に振るようにするといいそうです。

画像: (左)ヘッドを左サイドに振らない。(右)ヘッドをアウトサイドに投げ出すように振る

(左)ヘッドを左サイドに振らない。(右)ヘッドをアウトサイドに投げ出すように振る

さっそくその2つのポイントを意識してボールを打ってみました。胸を飛球線後方に向けたまま手を下ろすというのは、僕自身、今までも取り組んだことがあったんです。だけど、それでも意外とクラブは外から下りちゃうことがあったんですよ。でも、ヘッドをアウトサイドに出すようにするというのはやったことがなくて、そのイメージをプラスすると、かなりいい感じに振れました。このイメージだとたしかに右肩が前に出ることがなく、クラブもインサイドから下りてきますね。最初は少しおおげさにフォローをアウトサイドに出す感じでスウィングするといいと思います。ボールがどこに飛ぶかとかはあまり考えずに。で、その動きができるようになってきたら、フィニッシュまでしっかりと振り切るようにすると、自然と腰が回り、アウトサイドにクラブを出すイメージをもったままでもしっかりと左に振れるようになってきます。ボールを打つ前に2~3回クラブをアウトサイドに出して、そのままの形で止めるような素振りをしてからボールを打つといいかも。これはラウンドのときにも使えそう。

重心を落としてクラブを水平に振る練習ドリル

そしてドリルも紹介されていたのでやってみました。両足をかなり広げて重心を落とし、クラブを水平に振ります。下半身の向きが簡単に変わらないようにして、胸の高さでクラブを水平に振るんです。これをやることで、右肩が前に出ず、胸を正面に向けたまま腕の入れ替えで振るという感覚がわかるということなんですね。この動きに慣れてくると、クラブを振る角度を徐々に傾けていくと、実際のスウィングの動きに近づきます。

画像: 両足を大きく広げて、クラブを水平に振ると胸を正面に向けたまま腕の入れ替えで振るという感覚がわかる。そのまま徐々にクラブを振る角度を傾けていく

両足を大きく広げて、クラブを水平に振ると胸を正面に向けたまま腕の入れ替えで振るという感覚がわかる。そのまま徐々にクラブを振る角度を傾けていく

これもやってみましたが、たしかに水平に振っていると右肩が前に出ることはないですね。そのまま徐々に前傾角を深くしていくと、実際のスウィングに近い軌道になりますが、とてもいい軌道で振れている感覚があります。このドリルで体にしっかりと右肩が出ずに振るという感覚を覚え込ませるのはよさそう。

そして最後にもうひとつポイントが。ダウンスウィングで「右肩と右かかとを近づける」というのもいいそうです。

これもやってみましたが、なるほど、このイメージもなかなかいい感じです。右わき腹を縮めるイメージで振るのがポイントなのですが、そうすることで、体の伸び上がりも防げるということです。ただ、このイメージは、やりすぎてしまうと「すくい打ち」のような動きになってしまう恐れもあるな~と思いました。でも、ドンピシャでイメージの出る人もいると思いますので、一度試してみるといいかも。

画像: (左)右わき腹を縮めるイメージで右肩と右かかとを近づける。(右)右肩を下げすぎてしまうとすくい打ちになってしまう

(左)右わき腹を縮めるイメージで右肩と右かかとを近づける。(右)右肩を下げすぎてしまうとすくい打ちになってしまう

アウト‐イン軌道に悩んでいるゴルファーって、その腕前に関係なく、けっこう多いと思います。ぜひ一度この記事で紹介していることを試してみてください。

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